桜花賞 予想

天皇賞(春) を予想!

戦中のレース創設で、1939年から第6回まで戦乱末期に至る前のまでの名称は、中山4歳牝馬特別。
戦後すぐ、春の関西圏のレースに定着して、1950年から今の施行条件に固定されました。
牝馬のためのレースであり、範をとったイギリスのギニー競走同様、マイル戦<1600m>ということでは、芝のG1として真の底力が問われる一戦であることから、
正確には牝馬限定クラシック競走は2戦であるため、世代のチャンピオン競走という色合いも強く、優駿牝馬<オークス>にはない、特有の華やかさがあるビッグレースです。

桜花賞の主な勝ち馬

-三冠馬-
・メジロラモーヌ 1986年
・スティルインラブ 2003年
・アパパネ 2010年
・ジェンティルドンナ 2012年
・アーモンドアイ 2018年
・デアリングタクト 2020年

桜花賞の特徴

2007年から今の阪神外回りコースでの開催になって、スパイラルカーヴの採用もあって、揉まれづらい外枠が有利とされた時期もありましたが、
昔より人気馬の大胆な追い込みが決まるようになったという以外、本当のところの変化はあまりないという雰囲気になってきました。
波乱もあれば、あっさり人気馬同士の決着もあり、しかし、桜花賞ならではの歴史的邂逅が事件のように、歴史を作るという面がちょっとだけ脚色されているのは、レースの質が上がっている証拠のように思います。

桜花賞の歴代優勝馬

 1着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 2着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
3着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2011
マルセリーナ
牝3
55
安藤勝己
2エルフィンS①
ディープインパクト
ホエールキャプチャ
牝3
55
池添謙一
1クイーンC<1>
クロフネ
トレンドハンター
牝3
55
岩田康誠
4フラワーC①<阪神/中1週>
ディープインパクト
2012
ジェンティルドンナ
牝3
55
岩田康誠
2チューリップ賞④
ディープインパクト
ヴィルシーナ
牝3
55
内田博幸
4クイーンC①
ディープインパクト
アイムユアーズ
牝3
55
N.ピンナ
3フィリーズレビュー①
ファルブラヴ
2013
アユサン
牝3
55
C.デムーロ
7チューリップ賞③
ディープインパクト
レッドオーヴァル
牝3
55
M.デムーロ
2チューリップ賞⑦
ディープインパクト
プリンセスジャック
牝3
55
福永祐一
14チューリップ賞⑧
ダイワメジャー
2014
ハープスター
牝3
55
川田将雅
1チューリップ賞①
ディープインパクト
レッドリヴェール
牝3
55
戸崎圭太
2阪神ジュベナイルフィリーズ①
ステイゴールド
ヌーヴォレコルト
牝3
55
岩田康誠
5チューリップ賞②
ハーツクライ
2015
レッツゴードンキ
牝3
55
岩田康誠
5チューリップ賞「3」
キングカメハメハ
クルミナル
牝3
55
池添謙一
7チューリップ賞「11」
ディープインパクト
コンテッサトゥーレ
牝3
55
C.ルメール
8チューリップ賞「6」
ディープインパクト
2016
ジュエラー
牝3
55
M.デムーロ
3チューリップ賞②
ヴィクトワールピサ
シンハライト
牝3
55
池添謙一
2チューリップ賞①
ディープインパクト
アットザシーサイド
牝3
55
福永祐一
6フィリーズレビュー②
キングカメハメハ
<2017>
レーヌミノル
牝3
55
池添謙一
8フィリーズレビュー②
ダイワメジャー
リスグラシュー
牝3
55
武豊
3チューリップ賞③
ハーツクライ
ソウルスターリング
牝3
55
C.ルメール
1チューリップ賞①
フランケル
2018
アーモンドアイ
牝3
55
C.ルメール
2シンザン記念<1>
ロードカナロア
ラッキーライラック
牝3
55
石橋脩
1チューリップ賞①
オルフェーヴル
リリーノーブル
牝3
55
川田将雅
3チューリップ賞③
ルーラーシップ
2019
グランアレグリア
牝3
55
C.ルメール
2朝日杯フューチュリティS③
ディープインパクト
シゲルピンクダイヤ
牝3
55
和田竜二
7チューリップ賞②
ダイワメジャー
クロノジェネシス
牝3
55
北村友一
3クイーンC①
バゴ
「2020」
デアリングタクト
牝3
55
松山弘平
2エルフィンS①
エピファネイア
レシステンシア
牝3
55
武豊
1チューリップ賞③
ダイワメジャー
スマイルカナ
牝3
55
柴田大知
9チューリップ賞⑦
ディープインパクト
2021
ソダシ
牝355吉田隼人
2
阪神ジュベナイルフィリーズ①
クロフネ
サトノレイナス
牝355C.ルメール
1
阪神ジュベナイルフィリーズ②
ディープインパクト
ファインルージュ

牝355福永祐一
8
フェアリーS①
キズナ
2022スターズオンアース牝355川田将雅7デイリー杯クイーンC(G3)ドゥラメンテウォーターナビレラ牝355武豊3チューリップ賞(G2)シルバーステートナムラクレア牝355浜中俊6フィリーズレビュー(G2)ミッキーアイル
2023リバティアイランド牝355川田将雅1阪神JF①ドゥラメンテコナコースト牝355鮫島克駿6チューリップ賞②キタサンブラックペリファーニア牝355横山武史5チューリップ賞⓷モーリス
2024ステレンボッシュ牝355J.モレイラ2阪神JF②エピファネイアアスコリピチェーノ牝355北村宏司1阪神JF①ダイワメジャーライトバック牝355坂井瑠星7エルフィンステークス①キズナ
2025エンブロイダリー牝355J.モレイラ3デイリー杯クイーンC①アドマイヤマーズアルマヴェローチェ牝355岩田望来2阪神JF①ハービンジャーリンクスティップ牝355M.デムーロ4きさらぎ賞②キタサンブラック

良は無印・○は着順/<稍>「重」【不良】

桜花賞の過去10年データベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気5回2回1回2回50%60%80%
前走チャンピオンズCでG1級勝ち馬 2回2回2回6回17%33%50%
前走チャンピオンズCでそれら以外1回1回0回2回25%25%50%
前走根岸SでG1級勝ち馬2回1回1回8回17%25%33%
前走根岸Sでその他1~3着2回1回2回8回15%31%38%
前走旧東海SでG1級勝ち馬1回0回0回3回25%25%25%
前走旧東海Sでその他の勝ち馬1回0回1回3回20%40%40%
前走旧東海Sでそれら以外1回1回0回9回9%9%18%
前走東京大賞典でG1級勝ち馬
0回1回1回13回0%7%13%
前走東京大賞典でその他0回0回1回3回0%25%25%
前走その他秋以降の重賞で武蔵野S0回0回1回2回0%33%33%
前走その他秋以降の重賞でJBCスプリント0回1回0回3回0%0%25%
前走その他秋以降の重賞で兵庫ゴールドT0回0回1回0回0%100%100%
前走その他秋以降の重賞で川崎記念0回1回0回13回0%0%7%

過去データを見ても心を鬼にして、2歳女王の評価は控えめにしたほうが良さそうですね。

8頭出てきて2着3回はいいとすべきか、2歳女王が断然支持に推されると必ず負けるという構図を真に受けるか、兎にも角にも、ウオッカでも完敗だった桜花賞の歴史は、
旧コース時代にはもう少し優しかった傾向が、アパパネ<2010年優勝>が弾かれて勝ち馬なしになったインパクトを、ファンがどう捉えるかは難しい面はあります。
強いから勝てるというより、ストレスはできるだけ少なく…、という近年のトレンドに合わせるべきとも思えますが…。

ちゃっかりしていると思うのは、アルテミスSかクイーンCを勝っていると勝ち切れず、負けていたアユサンとレッツゴードンキが、人気落ちでドカンと花火を打ち上げたという結果でしょうか。
もう、やや古い傾向となりますが、どちらかに絞って、ジュベナイルフィリーズでもそこそこ来たというくらいの馬は、エンジンの温まり具合が程よいというのは筋悪の読みではないでしょう。
ただ、人気になると阪神マイル好走組に完敗なので、そこは要注意。

桜花賞の攻略ポイント

名牝製造工場という顔は、大昔から変わらない桜花賞競走の一貫した表情である以上、まず、強い馬に育ちそうだと思った馬を選び出すレースではありますが、
1番人気も2歳女王もあまり信用ならないとなると、じゃない方作戦が長期戦略では賢明な選択肢となりそうです。
東京で強い馬がいれば、本流の阪神の組から、その逆もまた然りで、そこに出世レースの京都のオープン戦を押さえて、
少なくとも重賞1番人気か無敗かそれと同等の馬でないと、キャリアのある馬を負かすのは大変なので、気持ちへそ曲がりくらいのちょい悪2番人気狙いが、今のところの旬ではないでしょうか。

桜花賞2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

桜花賞2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第85回桜花賞 (G1)
グレード重賞(G1)
日程2025年4月13日(日)
発走時間15時40分
開催場所阪神競馬場
距離芝1,600m
コース右回り
賞金1億4,000万円
レコードタイム1:31.1

桜花賞2025予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

桜花賞2025の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ヴーレヴー浜中俊牝355.024.98栗東・CW・良(浜中俊)
6F 82.2-66.4-51.6-36.8-11.2(末強め)
栗東・CW・良(浜中俊)
6F 83.6-66.9-51.8-37.0-11.4(馬なり)
12エリカエクスプレス戸崎圭太牝355.04.12栗東・CW・良(助手)
6F 78.3-62.6-48.5-34.8-11.2(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.6-38.6-24.0-11.7(馬なり)
23マピュース田辺裕信牝355.042.3 12美浦・ウッド・不良(田辺裕)
6F 82.7-66.4-51.4-36.7-11.5(馬なり)
美浦・坂路・良(助手)
800m 53.0-38.2-24.6-12.2(馬なり)
24ショウナンザナドゥ池添謙一牝355.018.46栗東・坂路・良(助手)
800m 51.7-37.9-24.7-12.3(末一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.1-39.3-25.3-12.4(馬なり)
35ボンヌソワレ川田将雅牝355.045.213美浦・坂路・重(助手)
800m 54.3-40.3-26.3-13.1(馬なり)
美浦・坂路・良(助手)
800m 54.5-39.7-25.2-12.2(馬なり)
36ビップデイジー幸英明牝355.012.84栗東・坂路・良(幸英明)
800m 51.6-36.9-23.7-11.8(末強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.7-40.6-25.9-12.3(馬なり)
47エンブロイダリーJ.モレイラ牝355.03.81栗東・CW・良(助手)
7F 98.4-65.9-51.0-35.5-11.1(一杯)
栗東・坂路・良(モレイラ)
800m 53.5-39.0-24.9-12.4(馬なり)
48ウォーターガーベラ武豊牝355.029.79栗東・坂路・良(調教師)
800m 50.8-36.9-24.0-12.0(末強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.4-40.5-26.2-12.4(馬なり)
59アルマヴェローチェ岩田望来牝355.07.13栗東・CW・良(岩田望)
7F 96.8-66.0-51.3-36.4-11.4(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 81.2-66.6-52.1-36.7-11.4(馬なり)
510トワイライトシティ松山弘平牝355.080.117栗東・坂路・良(松山弘)
800m 51.6-37.4-24.4-12.3(末強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.9-40.7-26.2-13.0(馬なり)
611ミストレス坂井瑠星牝355.0205.618栗東・CW・良(助手)
6F 81.3-65.9-51.6-36.9-11.4(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 83.5-68.2-53.2-37.9-11.8(馬なり)
612リンクスティップM.デムーロ牝355.014.15栗東・CW・良(M.デムーロ)
7F 98.4-66.1-51.3-36.0-10.9(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 57.3-41.4-26.1-12.5(馬なり)
713チェルビアット北村友一牝355.068.714栗東・坂路・良(北村友)
800m 53.0-38.1-24.3-11.8(末強め)
栗東・坂路・良(北村友)
800m 55.5-40.0-25.4-12.3(馬なり)
714ダンツエラン団野大成牝355.079.816栗東・CW・良(助手)
6F 85.2-68.2-52.8-37.8-11.1(直強め)
栗東・坂路・良(団野大)
6F 81.7-66.4-52.0-36.9-11.3(馬なり)
715クリノメイ酒井学牝355.023.5 7栗東・坂路・良(酒井学)
800m 51.5-37.6-24.2-12.0(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.7-38.0-24.2-11.9(馬なり)
816ナムラクララ西村淳也牝355.042.111栗東・坂路・良(西村淳)
800m 52.1-37.1-24.1-12.0(一杯)
栗東・坂路・良(西村淳)
800m 54.4-38.9-25.2-12.4(馬なり)
817プリムツァール津村明秀 牝355.069.315美浦・ウッド・不良(津村明)
6F 84.6-68.7-53.1-38.5-11.9(馬なり)
美浦・坂路・良(津村明)
800m 55.7-40.7-26.2-12.6(馬なり)
818ブラウンラチェット横山武史牝355.031.610栗東・CW・良(助手)
6F 84.2-68.7-53.1-37.9-11.9(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.5-40.0-26.0-12.6(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回1回1回17回5.0%10.0%15.0%
先行馬6回5回5回59回8.0%14.7%21.3%
差し馬6回9回10回140回3.6%9.1%15.2%
追い込み馬7回5回4回81回7.2%12.4%16.5%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠0回1回3回35回0.0%2.6%10.3%
2枠2回0回3回34回5.1%5.1%12.8%
3枠1回2回0回37回2.5%7.5%7.5%
4枠4回4回0回31回10.3%20.5%20.5%
5枠5回2回5回28回12.5%17.5%30.0%
6枠1回2回4回33回2.5%7.5%17.5%
7枠4回3回4回49回6.7%11.7%18.3%
8枠3回6回1回50回5.0%15.0%16.7%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト21回25回24回156回9.3%20.4%31.0%
ロードカナロア18回24回21回166回7.9%18.3%27.5%
エピファネイア18回9回9回97回13.5%20.3%27.1%
ハーツクライ15回17回19回134回8.1%17.3%27.6%
ルーラーシップ15回14回13回119回9.3%18.0%26.1%
キズナ15回12回19回115回9.3%16.8%28.6%
モーリス15回9回13回104回10.6%17.0%26.2%
キングカメハメハ12回7回2回44回18.5%29.2%32.3%
ダイワメジャー12回5回3回96回10.3%14.7%17.2%
ドゥラメンテ9回15回5回76回8.6%22.9%27.6%

桜花賞2025 - 過去10年のデータ傾向

10分の1というのは偶然の値ではない

過去10年でリバティアイランドの危なっかしい直線のみの競馬で制した、ひやひやものの1勝のみ。 要するに、これこそが桜花賞における1番人気の危険性を象徴するワンシーンとなっているというわけだ。
その他、ラッキーライラック、レシステンシア、サトノレイナス、アスコリピチェーノら、高濃度のジュベナイルフィリーズ好走組がこぞって好走し、人気の上では完敗の雨馬場に泣いた無敗のソウルスターリングも、そのジュベナイルの好走馬に逆転されたのみの3着。
アルマヴェローチェに人気が集中するわけではないから、人気がないその他の路線のグループを買うのが筋というところで、この流れであるなら、むしろ、強い2歳女王の方は買いという見方もできなくはない。

強いのは強いが、そもそも力が違っただけ、という見立てが正解

連対していた組の連続好走のみが、継続した成功パターン。 簡単に言えば、もう暮れの時点に出走の目途を立てて、じっくりと仕上げていって…。
準備を十分にできるという強みを活かせるということでは、今年は例年以上に、ジュベナイルフィリーズ出走馬<最大で9頭>が多く出てくる可能性があるから、敢えて言うならば、アルマヴェローチェとそれ以外とでは、扱いは異なるとできる。
直行する以上、求められるのは間違いのない才能の証明。 ひと叩きできるというメリットを活かせる、彼女に敗れた組には、人気でなら負けていても良かったという括りで、救済もできる面はあるのだが、総じて不振。 ビップデイジー以外は、勝ったり負けたりを繰り返す力関係だから、直行であるなしを問うこと以前に、軸馬になりそうなのはアルマヴェローチェだけという前段で、以降の組みたてを考える材料としていきたいところだろう。

問題だらけのクイーンC組

滅多に来ないどころか、連勝が一度もないのが、この組。 昔は間延びした、中途半端な間隔の影響であったわけだが、今は、クイーンCのレース水準のアップで、本番並みの時計が求められることが影響して、とても中7週ではリカバリーが難しいということがあったり、そもそも、オークス狙いの馬も多く出てきて、その手のタイプがクイーンCで好走しているケースもあるから、適性も微妙に影響する。
エンブロイダリー圧勝で、その他を狙うのは気が引けるが、本質論では、そんな速い勝ち馬よりも、以下のグループを買いたいとなってくるものの、話の流れは、クラシック本流で、あくまでもオークスへと繋がる路線という捉え方をすると、今年は適性の面で不安な材料が多いという雰囲気もある。 モレイラ効果で人気は集まるが、混戦予測の中、過剰人気ほど厄介なことはない。 ルメール騎手が乗っていたところで、それは関係ないが、1年後の大阪杯で1番人気に推されたスターズオンアース・川田騎手は、ここでは混戦の中で7番人気の伏兵。 この馬しか勝っていないというのは、どういうことなのかを一旦考えた方がいいだろう。 2、3着で狙うという切り替え方の方が本筋。

多様なローテを象徴する他の反主流路線に活路を見出す時代

アーモンドアイは1月のシンザン記念、デアリングタクトは2月のエルフィンS、最大の例外であるグランアレグリアなどは、朝日杯フューチュリティSで断然の支持を受けて敗れて以来の実戦。
言わずと知れた名牝たちに、前走の内容こそ重要なようで、結果として、休養期間そのものに価値があるという、2歳女王と同じ成長の期間に充てたという成功のパターンが共通。 でも、そういうことは簡単には成功しないから、いくつかのパターンを当てはめたいところだが、牝馬主要路線で三冠かそれ以上の古馬G1実績を積み上げる名牝たちに、肩を並べるとすると、相応の前走成績が最低限求められ、前走の人気の根拠に対する、一定の実績もなければならないとできる。
そうなると、この中ではかなり変わり種のハイペースとなったきさらぎ賞で先行粘り込みのリンクスティップが面白く、その次は、やはりあの普段以上に流れた中山のフェアリーS圧勝のエリカエクスプレスが…、それ以外を買うのは、流す対象でいいとなってくれば、もう軸はこの3頭でいいとなってくる。 十分な距離耐性とクラシック級の証明がされたところで、人気の妙味を重視すると、この中では一択という感じになった。

桜花賞2025- 出走予定馬の血統/成績/タイム

当世代の2歳女王と同じく、牡馬の有力馬との激しい競馬を経験した伏兵が有利と見る

リンクスティップの血統

キタサンブラック×キトゥンズジョイという配合のイメージよりも、この配合は重たい。 父はリファールのクロスを抱え、母がサドラーズウェルズの3×4を配されている。 トムフールでバランスを取っている継続の意味がある、母系で効果を発揮しそうなインブリードで、一応の柔軟な対応もできるアピールポイントを除くと、クラシックを目指しているようで、使いどころが難しい、本当は重たいダートで走っても不思議はないという組み合わせ。
アルマームードの牝系で、その娘のコスマー<=ヘイローの母>から連なる広範な規模感ともとれる一大勢力は、ナタルマ<=ノーザンダンサーの母>から続く、大種牡馬のラインとは異なり、地道に縦に伸びる牝系の拡大が得意な特性があるから、超の付く大物はあまり多くない。
一方で、牝祖にハイクレアを持つブラックタイドとナシュワンという組み合わせに代表される、このアルマームードの重なりに見合った、他の主要な名牝系から出てきた種牡馬が絶妙に組み合わさり、3代遡っても、各直系はいずれもファラリスの主流しか入っていないにもかかわらず、この代で掛かる新たなクロスは5代目の奥、ヘイローの直系でも、コスマーは5代内でクロスしていないなど、繁殖牝馬としての使い道にも有利な点が多いこのリンクスティップは、有能な中距離適性を示す中で、芝の根幹距離であるマイルのクラシックレースで好走することにより、その立場をより強化できる。
アルマヴェローチェもノーザンダンサーはたくさん入っているが、母がノーザンテーストのクロスを持っているということでも、本命馬との特徴でかなり似ている面を持つ。 芝の競馬で大物が出てくる欧米の様々な血統が混ざり合っていることで、大種牡馬からの距離が取れているケースでは、牝馬の大物は結構出てくる。 昨年優勝のステレンボッシュも、サンデーサイレンスは流行の3×4ではなく、4×4であった。 強いクロスを持つ馬が人気になるくらいなら、その逆を狙うのも面白い。 本来ならば、こうした配合の方が、良血的な要素に富んでいるいい組み合わせとされるはずである。

まるで勇壮な男の中の男のような競馬をしてきたというか、デムーロ兄弟にそうさせられてきたような面も窺えるリンクスティップに、案外、死角があまり見当たらないという点が、人気の面でも大いに惹かれる要素にもなっているから、ここは自信の本命と行きたい。 ペアポルックスでひどい目に遭ったばかりだが、(笑) 粗品大先生に負けないほど、前のめりでだいぶ引っかかった予想で、今度こそ、悦に浸りたいところだ。
秋の2戦は、クリスチャン騎手が跨り、初戦は見事にスタートでミソをつけて、おまけに、とんでもないレベルのスローというほど遅かったわけでもなかったのに、まだ遊び遊びであるという判断もあったのだろう、かなり強引な捲りを敢行し、結果、一旦は途中で交わした浜中騎手のミッキーゴールドに、かえってマークされる形になり、見事に立ち回られた末に、大接戦を落としたという2着。 3着のフォーキャンドルズも含め、上位は全て次走で好走。 連勝した後に、肝心のリステッド連敗が痛かったミッキーゴールドも、2、3着なのだから、世代間の負け組では決してない。
ただ、新馬戦の時点での評価がより高かったリンクスティップの方はというと、物凄いメンタリティーというか、新馬と同じ、京都の2000Mで再び未勝利戦を使われ、今度は同じくクリスチャンが最初から位置を取らせることに念頭を置いた、まるでトライアルでの権利獲得狙いのような攻めの競馬で、あっさりの好位抜け出し完勝。
この際に記録された勝ちタイムの2:00.8というのは、クロワデュノールに唯一対抗できそうな真っ向勝負期待の無敗馬・エリキングが勝った京都2歳Sの決着時計より少しだけ速いというだけでなく、開催時期がこの未勝利の方が1か月近く遅かったことを踏まえても優秀であり、何よりも、半分の通過タイムから残りの1000Mまでのラップ構成が酷似し、理想のクラシック狙いに自身を持てるような、荒れ馬場でも後半の方が1秒速い、総合力勝負のバランスのとれた展開を、リンクスティップの場合は、自分で選んだという感じではないにせよ、強気のスパートにより、その水準に相応しいことを2戦目の時点で証明したような走りであったから、ある意味、この中でのきさらぎ賞参戦は、当然と言えば、当然。

桜花賞2025 - レース展開と最終予想

クロワデュノール以外は…、というところで、結果的に、お互いが課題山積の状態でありながらも、力を示した同士となったサトノシャイニングにこそ敗れたが、これもまた、異例づくめの一戦。
内枠で最内のジェットマグナムのすぐ外。 強気で鳴らすこともよくあるデムーロ兄弟の、今度は兄・ミルコ騎手で、攻めの手には出ようしたものの、隣のジェットマグナムがやけにマイペースを作ることに必死になっているうちに、坂の上り辺りでは46.1秒と、ほとんど、阪神外回りができた後の桜花賞のようなラップ構成で、自身が最初にこれをつついたことも影響し、その後も、ウォーターガーベラや人気のショウヘイなどまでもが絡んだ影響で、明らかに乱ペースの様相。
ところが、芸は身を助くというか、これまでやけに先手の位置取りに固執してきた効果があったのだろうか、外回りでの加速、とりわけ、京都の峠の作りをした上り下りでのスムーズな加速で、中距離戦としたら、明らかなオーバーペース、翌週行われたクイーンCでは結果的にそれ以上のラップにはなったものの<半マイル通過が45.7秒、安田記念ならば、確実に1分31秒中盤以上の時計になる>、滅多なことは起きないだろうと、ジェットマグナムを推した筆者を嘲笑うかのような結果を、今更ながら、薄ら笑いで振り返る筆者なのである。
マーク対象を間違えず、しっかりとスパートすることに成功した実力者に敗れたのみであるリンクスティップのこのような実績が、アルマヴェローチェの札幌2歳Sで経験した、過酷な道悪での消耗戦を戦い抜いたことによる、確かな進展に、結果がついてきたと言える暮れのジュベナイルフィリーズのシンデレラストーリーと、実に、よく似た経緯にも思える。
爆発的なスパート力を、後半に集約して伸びてくるにしても、アーモンドアイやグランアレグリア、エルフィンSのデアリングタクトなどもそうであったが、どこかでそうしたパフォーマンスが見られていたならば、とっくの昔に話題になっているはずなのだが、今年はむしろ、正攻法でスピードの絶対値の違いを示した馬たちが、女王に食らいつくという構図。 案外、こういうパターンに成功の流れを見ようとすると、前掛かりを懸念するあまり、下手に小細工をしたりだとか、反対に、動き出しがやけに速すぎたりするなど、色々なパターンが予測されるから、過剰な支持を集める可能性がある鞍上とその前走のパフォーマンスがあまりにも目立ちすぎたエリカエクスプレスとエンブロイダリーには気を付けたい。
そうやって、メジャーエンブレムからずっと、まあ、きさらぎ賞完勝のルージュバックから、この見え見えのズッコケパターンにハマり続けてきた筆者からすれば、面目躍如としたい一戦。 見せ場は本番でこそ…。 1番人気がリバティアイランドの前もまた川田将雅のハープスターであったという、負の敗戦のリズムに倣えば、世界のユウガ・カワダでないなら買いません、と高をくくってもいいはずだ。 シランケド。
デムーロ騎手は、しばらく重賞勝ちからも見放されていたが、モノの見事に一年ぶりの重賞制覇が、前述のあの珍名馬で制した中山牝馬Sだった。 適当に言いたいことを書いていったら、たまたまこうなったのである。(笑)
その1年前の重賞勝ちは、あのコスモキュランダ。 大阪杯の結果も気になるところだが、首を長くして待った上に、きりんになってしまったら、もう乗る側ではなく、乗られる側になってしまう丹内騎手の快挙にも期待しつつ、再びのいい流れを掴んだ名手に、ここは期待である。
実は、デムーロ兄弟はこのレースに縁が深く、短期免許の時代は兄ミルコもあまり縁はなかったものの、牝馬のクラシックを最初に制したのが、この桜花賞だった。 これが2016年。チューリップ賞とのリターンマッチで、シンハライトを絶妙な仕掛けで捉え切ったあの一戦。 この3年前に、クリスチャンが乗った<=負傷の丸山元気騎手のピンチヒッター>アユサンに迫ったのが、ミルコのレッドオーヴァルだった。
馬券内ではなかったが、前年と騎乗機会のなかった前々年を除くと、その前の3回はいずれも掲示板内に、人気には関係なく、持ち味を引き出して持ってきているミルコは、人気になってはよく飛んできたルメール騎手の断然人気馬よりも、桜花賞ではずっと狙える騎手なのである。 強い2歳女王に対し、大体の傾向で、おおまかなG1の基準である、ひとハロン分余計に距離適性が求められるというのが、平均以下からの直線スパートが定番化している今の桜花賞では、昔よりもずっと、短距離型には難しいレースになっている。 速さは武器になるが、成長力の阻害などの要素も含み、ここは前走圧勝の組は少し評価を下げて、様子を見ておきたい。
距離実績以上に、前走とそこに繋がるレースの中で、激しいマイルG1への適応力を示しているリンクスティップのパートナーが、ミルコジョッキーであったということが、レース回顧で重要なファクターであったと、分別ある、正しい評価のできる評論家諸氏に語ってもらえるような、総合力勝負での底力全開にここは期待するのみである。

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桜花賞 過去の予想と結果