天皇賞(春) 予想

天皇賞(春) を予想!

天皇賞としてのスタートは、東京の秋の開催が先でしたが、1939年の第4回、春として二度目の開催から3200Mの距離設定は不変で、
令和の時代も残る特殊設定の古馬主要タイトル戦として、数々の名馬の独走シーンを演出してきました。

再び脚光を浴びる無敗の三冠馬は、シンボリルドルフ、ディープインパクト共々、その後に予定した海外遠征に弾みをつけるために参戦し、歴史的快勝で人気に応えています。
しかし、本物のエース級でない限り、とても守備範囲には入らないという距離であるため、近年はほとんどの年で混戦模様です。

開催年レコード馬名
1989年 
3:18.8 イナリワン
1993年 
3:17.1 ライスシャワー
1997年 3:14.4 
マヤノトップガン
2006年 
3:13.4 ディープインパクト
2017年 3:12.5 キタサンブラック

天皇賞(春)の特徴

京都もしくは阪神開催という固定された根幹競走という趣もあって、何かおかしなことが起きない限りは荒れないレースとなってきましたが、菊花賞馬でもアテにならないという、
古くから続く格の重みから、ステイヤーなど上級クラスほど存在しないという血統的な理由に影響された背景も重なり、順調に使われているからと言って、まるで近走成績を信用できない面があります。
見た目には平穏に映りますが、3000Mの前哨戦の勝ち馬が、1番人気で勝っていないというが肝。
ここ20年で、この壁を乗り越えたのはディープインパクトただ1頭です。

天皇賞(春)の歴代優勝馬

 1着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
3着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
<2011年>
ヒルノダムール
牡4
58
藤田伸二
7産経大阪杯①
マンハッタンカフェ
エイシンフラッシュ
牡4
58
内田博幸
3産経大阪杯③
キングズベスト
ナムラクレセント
牡6
58和田竜二
5阪神大賞典①
ヤマニンセラフィム
2012年
ビートブラック
牡5
58
石橋脩
14阪神大賞典<10>
ミスキャスト
トーセンジョーダン
牡6
58
岩田康誠
3産経大阪杯<3>
ジャングルポケット
ウインバリアシオン
牡4
58武豊
2日経賞「1」
ハーツクライ
2013年
フェノーメノ
牡4
58
蛯名正義
2日経賞①
ステイゴールド
トーセンラー
牡5
58
武豊
3京都記念①
ディープインパクト
レッドカドー
騸7
58G.モッセ
6ドバイワールドC②
カドージェネルー
2014年
フェノーメノ
牡5
58
蛯名正義
4日経賞⑤
ステイゴールド
ウインバリアシオン
牡6
58
武幸四郎
3日経賞①
ハーツクライ
ホッコーブレーヴ
牡6
58田辺裕信
12日経賞②
マーベラスサンデー
2015年
ゴールドシップ
牡6
58
横山典弘
2阪神大賞典①
ステイゴールド
フェイムゲーム
牡5
58
北村宏司
7ダイヤモンドS①
ハーツクライ
カレンミロティック
騸7
58蛯名正義
10阪神大賞典④
ハーツクライ
2016年
キタサンブラック
牡4
58
武豊
2産経大阪杯②
ブラックタイド
カレンミロティック
騸8
58
池添謙一
13阪神大賞典⑥
ハーツクライ
シュヴァルグラン
牡4
58福永祐一
3阪神大賞典①
ハーツクライ
2017年
キタサンブラック
牡5
58
武豊
1大阪杯①
ブラックタイド
シュヴァルグラン
牡5
58
福永祐一
4阪神大賞典②
ハーツクライ
サトノダイヤモンド
牡4
58C.ルメール
2阪神大賞典①
ディープインパクト
2018年レインボーライン
牡5
58
岩田康誠
2阪神大賞典①
ステイゴールド
シュヴァルグラン
牡6
58
H.ボウマン
1大阪杯⑬
ハーツクライ
クリンチャー
牡4
58三浦皇成
4阪神大賞典③
ディープスカイ
2019年
フィエールマン
牡4
58
C.ルメール
1アメリカジョッキークラブC②
ディープインパクト
グローリーヴェイズ
牡4
58
戸崎圭太
6日経新春杯①
ディープインパクト
パフォーマプロミス
牡6
58北村友一
8京都記念④
ステイゴールド
2020年
フィエールマン
牡5
58
C.ルメール
1有馬記念④
ディープインパクト
スティッフェリオ
牡6
58
北村友一
11日経賞③
ステイゴールド
ミッキースワロー
牡6
58横山典弘
4日経賞①
トーセンホマレボシ
2021年ワールドプレミア牡558福永祐一3日経賞③ディープインパクトディープボンド
牡458和田竜二
1阪神大賞典「1」キズナカレンブーケドール
牝556戸崎圭太4日経賞②ディープインパクト
2022年タイトルホルダー牡458横山和生2日経賞(G2)ドゥラメンテディープボンド牡558和田竜二1阪神大賞典(G2)キズナテーオーロイヤル牡458菱田裕二4ダイヤモンドS(G3)リオンディーズ
<2023年>ジャスティンパレス牡458C.ルメール2阪神大賞典(G2)ディープインパクトディープボンド牡658和田竜二5阪神大賞典(G2)キズナシルヴァーソニック牡758D.レーン6レッドシーターフ(G3)オルフェーヴル
2024年テーオーロイヤル牡658菱田祐二1阪神大賞典(G2)リオンディーズブローザホーン牡558菅原明良5阪神大賞典(G2)エピファネイアディープボンド牡758幸英明6阪神大賞典(G2)キズナ

天皇賞(春) 過去10年のデータベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気3回1回0回6回25%33%33%
前走阪神大賞典3回3回5回47回5%10%19%
前走日経賞2回3回2回46回4%9%13%
前走大阪杯3回3回0回7回23%46%46%
前走京都記念0回1回1回4回0%17%33%
前年天皇賞(秋)連対1回1回0回1回33%67%67%
前年有馬記念8着以内4回5回2回19回13%30%37%

主要前哨戦組はよく消える傾向にあります。

レースの特殊性からして関連するところから狙いたい東西の長距離重賞が、まるで本番と違う適性が求められるため、全然アテにならないことは、頭の痛い話。
阪神開催についても、ビワハヤヒデは京都記念から直行、ニチドウタローも阪神の中距離の平場オープンからそれぞれ連勝の4歳馬で、遥か昔から、そういう傾向があるのも頭に入れておきたいデータです。

ただ、数の関係で、秋のG1の好走馬は狙い目と言えるでしょう。

どう考えても、関連性では有馬記念、無関係に見える秋の天皇賞となるようで、信頼するとなると、違う力まで引き出されるジャパンCよりは、この2つとなるという傾向。
特に、人気馬でも飛ぶことはあっても、順当に来る馬を選別したら、どうしたってこのレースの次に長い古馬GⅠの有馬記念の好走馬になります。
前哨戦の結果は置いておくとして、まずは、馬柱の真ん中か、今は下から2、3番目の欄に注目でしょう。
秋の天皇賞は、シーズン最初のレースという馬も多いので、繋がりがあるのでしょう。総合力で有馬組と互角と見たいところです。

天皇賞(春)の攻略ポイント

とにかく、前走の内容でも、もはや父の違いもあまりでない環境で、ハーツクライとキングカメハメハの産駒が今一つピリッとしないくらいで、
あとはそれなりに買える材料のある馬をパラパラ押さえるのが常道という狙い方から、一歩踏み込むとしたら、連覇の馬が決まって菊花賞やダービーで好走していた、脈ありの馬だったということでしょうか。
人気にもなるし、味はない推理ですが、皐月賞勝ちだけで通用するはずもなく、皐月賞完敗の2着だったヒルノダムール、似たような3着のキタサンブラックというキャラから、
今のスピード競馬の流れに乗り切れていないと見切ることができれば、狙いが立つのかもしれません。

天皇賞(春)2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

天皇賞(春)2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第171回天皇賞春 (G1)
グレード重賞(G1)
日程2025年5月4日(日)
発走時間15時40分
開催場所京都競馬場
距離芝3,200m
コース右回り
賞金2億2000万円
レコードタイム3:12.5

天皇賞(春)2025予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定前)

天皇賞(春)2025の予想オッズと登録馬

出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
ヘデントールD.レーン牡458.02.71美浦・ウッド・稍重(助手)
7F 92.1-62.8-48.5-35.8-12.0(強め)
美浦・ウッド・良(レーン)
6F 85.9-69.0-53.5-38.4-11.4(馬なり)
サンライズアース池添謙一牡458.04.42栗東・坂路・稍重(池添謙)
800m 53.9-39.2-25.4-12.5(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 80.9-66.0-51.4-36.5-11.5(一杯)
ジャスティンパレス鮫島克駿牡658.07.6 3栗東・CW・良(鮫島駿)
6F 82.9-68.3-53.4-37.6-11.1(馬なり)
栗東・CW・良(泉谷楓)
4F 53.2-37.6-11.2(馬なり)
ハヤテノフクノスケ岩田望来牡458.09.24栗東・CW・良(岩田望)
6F 79.8-63.8-48.8-34.7-10.9(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.0-38.3-24.6-12.1(馬なり)
ショウナンラプンタ武豊牡458.011.4 5栗東・坂路・稍重(助手)
800m 53.9-38.8-24.8-12.2(末強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.4-39.5-25.5-12.4(末一杯)
マイネルエンペラー丹内祐次牡558.012.06栗東・CW・稍重(吉村誠)
7F 96.0-65.4-51.3-36.8-11.1(一杯)
栗東・CW・良(吉村誠)
6F 81.5-66.1-51.0-36.1-11.3(強め)
ブローザホーン菅原明良 牡658.014.3 7栗東・坂路・稍重(助手)
800m 55.5-40.6-26.5-13.2(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 56.0-41.0-26.7-13.5(末強め)
ビザンチンドリーム菅原明良牡458.017.18栗東・CW・良(中井裕)
6F 81.5-66.1-51.6-36.9-11.5(末一杯)
栗東・CW・良(中井裕)
6F 87.1-71.0-55.0-38.4-11.3(馬なり)
プラダリア松山弘平牡658.026.09栗東・CW・稍重(松山弘)
6F 80.9-65.8-51.8-36.9-11.3(強め)
栗東・坂路・良(調教師)
800m 53.1-38.9-25.5-12.8(末強め)
シュヴァリエローズ北村友一 牡758.033.610栗東・CW・稍重(助手)
7F 97.3-66.2-52.0-37.3-11.2(直強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.0-39.3-25.6-12.5(馬なり)
リミットバスター岩田康誠 牡558.035.311栗東・CW・稍重(助手)
7F 98.2-66.0-51.5-36.1-11.5(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 82.6-67.6-52.7-37.4-11.5(G前一杯追)
ワープスピード横山和生牡658.040.612美浦・ウッド・稍重(横山和)
5F 67.2-51.4 37.2-11.4(強め)
美浦・ウッド・良(横山和)
5F 68.4-53.3-38.4-12.0(馬なり)
アラタ大野拓弥牡858.087.413美浦・ウッド・稍重(助手)
6F 83.6-66.9-52.4-38.2-11.6(直一杯)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 82.5-66.9-52.8-38.8-12.2(馬なり)
ジャンカズマ野中悠太郎牡758.0129.914美浦・ウッド・稍重(助手)
6F 82.5-66.7-52.1-37.5-11.7(一杯)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 82.7-66.0-52.1-37.9-11.6(馬なり)
ウインエアフォルク幸英明牡858.0260.415美浦・ウッド・稍重(長浜鴻)
6F 84.8-68.6-53.6-38.8-11.9(馬なり)
美浦・ウッド・良(長浜鴻)
6F 84.0-67.0-52.4-38.0-11.7(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬3回0回1回21回12.0%12.0%16.0%
先行馬10回15回9回45回12.7%31.6%43.0%
差し馬7回5回10回122回4.9%8.3%15.3%
追い込み馬0回0回0回90回0.0%0.0%0.0%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠7回1回2回26回19.4%22.2%27.8%
2枠1回2回3回31回2.7%8.1%16.2%
3枠2回2回2回33回5.1%10.3%15.4%
4枠2回2回4回32回5.0%10.0%20.0%
5枠1回2回0回37回2.5%7.5%7.5%
6枠2回4回4回30回5.0%15.0%25.0%
7枠2回2回2回44回4.0%8.0%12.0%
8枠3回5回3回45回5.4%14.3%19.6%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト3回1回0回8回25.0%33.3%33.3%
リオンディーズ1回0回0回0回100.0%100.0%100.0%
ステイゴールド0回1回1回2回0.0%25.0%50.0%
キズナ0回1回1回1回0.0%33.3%66.7%
エピファネイア0回1回0回0回0.0%100.0%100.0%
オルフェーヴル0回0回1回5回0.0%0.0%16.7%
トーセンホマレボシ0回0回1回0回0.0%0.0%100.0%
ハーツクライ0回0回0回6回0.0%0.0%0.0%
ルーラーシップ0回0回0回2回0.0%0.0%0.0%
ゴールドシップ0回0回0回2回0.0%0.0%0.0%

天皇賞(春)2025 - 過去10年のデータ傾向

本命級堅軸傾向の勘所は、ルメールと菊花賞馬

ケンタッキーダービー参戦による、名誉の欠場は、いささか天晴れ、男前のそれである。 素晴らしいUAEダービーの結果があり、この不参戦がある。
ルメール騎手、このレース4勝目は持ち越しとなったが、3番人気以内での掲示板内の確率はパーフェクト。 馬券内に確実に絡む騎手ではあるから、3年ぶりの参戦が来年見られれば、まず買うしかない。
また、菊花賞馬が連敗してしまったが、その前には4連勝。 キタサンブラックも連覇しているから、その前のゴールドシップも合わせると、10年で7勝。 タイトルホルダーは激しい阪神独走の翌年は、体調万全ではなく、有馬記念完走で中身の濃い3着で十分だったから、勝負所でストップをかけたことは、諸々の意味で、重大な結果を生んだとできる。 馬券にしか興味のない人間は、猛省すべき禁句をほざいたことを、あの有馬記念を見て、再び反省しなければならない。
1番人気がこれら以外の時、昨年のテーオーロイヤルを除くと全敗。 今年は来ないとまではできないものの、惜敗の年かわからないが、菊花賞2着馬は最近はレインボーライン、その前はテイエムオペラオーの連覇などの3勝に止まる近30年の傾向からも、ヘデントールの過剰人気には要注意。 レーン騎手もまだ若い方だが、本国の実質ダイヤモンドS級と思われる大イベントのメルボルンCに縁がないように、モレイラでも勝てない天皇賞を甘く見ることはない。 クレイグ・ウイリアムズは30過ぎにここで勝ったが、彼もハンディキャップG1のそれには縁はなかったのだが…、果たして。

ダイヤモンドS勝ちからの直行2頭が走った理由は単純明快

テーオーロイヤルは4歳の時、フェイムゲームは5歳の年にそれぞれ好走。 後は来ていない。
東京中心のステイヤーに向かない瞬発力の指向ではないためか、回りなども影響して、まず来ない。 他にもたくさんの2500M以上の重賞勝ちの記録がある大物だったから、アルバートなどは飛んでいるが、中山の適性が強烈なステイヤーズSで毎年好走のようなタイプでなければ、問題はない。
ヘデントールさんは中山未出走のガチ勢ではなく、当地で2戦2勝も、それは両方とも、2000Mは3歳限定戦。 東京無敗のようで、青葉賞は仕方ないものの、デビュー戦がジャスティンミラノ相手に走らされたのも不運。 それでいて特別2勝の上に、京都で関西初遠征の2着。 どさくさ紛れにも思えたが、それは実力の一端とした前走の内容から、切るということはあまりお勧めできない。

好走したシルヴァーソニックに肖りたいビザンチンドリーム

サウジCと同時開催のレッドシーターフHがG3時代に、56.5kgを背負って勝ったシルヴァーソニックは、ちょうどいいローテという感じで、ジャスティンパレスの3着に入った。
60kgを背負ったものの、まるで意に介さないような抜け出しで勝ち切ったビザンチンドリームは、持ち前のエンジンの掛かりの遅さを活かした内容で、シルヴァーソニックに0.2秒差の勝ちタイムで突き抜けて見せた。
シルヴァーソニックは落馬しつつ、実質2位入線のタイトルホルダー圧勝のレースを経て、ステイヤーズSをかなり珍しい休み明けローテで快勝。 ビザンチンドリームは春クラシックは展開不適で自滅でも、菊花賞はそこそこ頑張った好走。 それでも、中山でキレ負けしたのに、厳しい設定を完全無視の結果は、少し侮りがたい。
菊花賞のいいイメージがある、ドイツのおしゃべりおじさん・シュタルケ騎手が武器とする豊富な長距離実績が、レーン騎手のシルヴァーソニックとの相性を超える可能性を求めることは、全く無理筋ではない。

本格派とプレップ向きとを隔てる確実な一線

有馬記念はコーナー6つの共通項以外、思われるよりもずっと、違う方向性のレースであるが、ここでの着順を問わないという、トリッキーさを踏まえた救済措置により、高確率での連続好走を約束する傾向として、再度、高評価を取り戻しつつある。
同時に、有馬未出走の勝ち馬であると、4頭しか該当しない中で、連対のテーオーロイヤル、ディープボンドらは、ダービーの出走はともかく、そのトライアルか重要前哨戦での好走実績があった。 テーオーロイヤルとは異なり、4歳時は出られなかったが、違うローテでも、同じように故障明けから、グイグイ今まで以上のパフォーマンスを継続して、一気に頂点を極めた姿が被るサクラローレルも、重賞昇格初期の青葉賞3着馬。
3着だったシュヴァルグランは、京都2歳Sの重賞昇格初年度の3着であったが、まともに使えるようになったのは3歳秋から。 消えたとはいえ、大負けしていない左回り専用のイメージを一旦消したユーキャンスマイルが、京都新聞杯6着のあとに、4歳時はダイヤモンドS経由で5着して、その翌年の該当例が4着。 わずかな差だが、阪神大賞典勝ち馬がダービー出走馬だったケースは、 意外にも、ここ10年で実に3勝で全て馬券内。
キタサンブラックに力の差を見せつけられたサトノダイヤモンドだけ3着。 ゴールドシップの扱いは怪しくなるが、6歳時は凱旋門賞を経ていて、変則的なローテーションで宝塚記念の前にいい流れができていた。 ダービー4着は、サトノダイヤモンドより下だが、ディープボンドより上。 世代レベルから言って、5着ゴールドシップの3度目の正直は、別ルートから連覇の2着フェノーメノ影響もあったから、必然の展開。 レインボーラインはダービー参加賞も、サトノダイヤモンドに先着を許した後に、札幌記念を挟んで、静かに立場が入れ替わっていった。 菊花賞の方が、本格派多めのようで、不確定要素の増える現状、ダービー好走馬で長距離実績を加えたサンライズアースを切る理由がないとなれば、渾身の中心視予想を組み立てるのが正しいように感じる。

天皇賞(春)2025- 出走予定馬の血統/成績/タイム

池添謙一の悲願は春天制覇というが、ここらで決めておきましょ

サンライズアースの血統

前走の圧勝劇に対し、母父マンハッタンカフェ<菊花賞、有馬記念、天皇賞・春を全て一撃で仕留めた、顔が父サンデーそっくりの名ステイヤー>や父母父のシンボリクリスエス<有馬記念連覇>に、大いにその距離適性を求める向きがあるが、競馬はそんなに単純ではない。
そもそも、母父マンハッタンカフェの持つもう片方の一面が、ダートの中長距離適性を持つ重賞級を多く出す特性であり、まさに、セラフィックコール<ダイオライト記念連覇>の一つ下、その半弟ということで、スプリンターも多く出すヘニーヒューズ産駒だから、そこの影響は大きいとされがちだが、近親は、ハルーワスウィートの産駒が大活躍しているのは中距離型が多数。
このレースで毎度おなじみとなった安定の惜敗を3連発しておきながら、父ハーツクライらしく、本当は東京の2400で能力爆発の実態が、G1の勝ち星として判然とした形で表わされている。 長い距離は合うが、他の馬があまりこなせないから、気性的にも問題ないからこそ、総合力でこなしていたという感じ。 本当にステイヤーだったら、ここでキタサンブラックに勝っていて不思議ない。
ただし、中距離カテゴリーという型通りの結果が、今は望みづらい2400路線で活躍できる保証は、時計のレベルによって左右される以上、距離をこなすことで、本物を選定するための時計の勝負に強いキングマンボの血を引くサンライズアースは、小回りでコーナーを窮屈に回ることで程よい減速を繰り返す策がいかにも合いそうなタイプでも<阪神の方がいい>、シュヴァルグランのようにトニービンの血を抱えていないから、それで時計勝負に前走対応したという点で、反動の心配があるローテでも、キングマンボの血がずっと勝てなかった長距離G1をタイトルホルダーが阪神タフ馬場で制して、昨年のテーオーロイヤルもいるわけで、流れからして、ハーツクライ<母父TB>よりも先に、時代の潮流を掴んだスピード系統に、可能性を求めるのは無理筋ではないのかもしれない。
ダンチヒ系のマイネルキッツが勝ってから、もう16年経つが、ステイヤー切り崩しを、元はスピード系の本格派長距離砲がなして、難なくクリアの傾向は見逃せない。 昨年の続きを見ているかのようなレースは、また起きそうな予感がする。

これまでも不穏な挙動を見せてきたサンライズアースは、前走も相変わらずだったが、今までと比べても、とりわけ元気いっぱいだったから、池添謙一騎手もヘトヘトでインタビューに応じていた。
デムーロ騎手が叱咤させながら逃げさせた新馬戦も、かなりの伏兵評価でありながら、中身は完全にスタミナでもスピードの持続力でも他を凌駕していたという内容。 ただ、尾っぽをあげて、何だが今から用を足そうという仕草にも見えるほど、鞍上のコントレール化に置かれることを嫌がったデビュー戦と比べても、明らかに馬の進化度合いは、目覚ましいものがある。
集中力を欠く中でリズムを崩しかけながらのコーナーワークが、恐らく、今度も大きく改善されることはないはずだが、そこを結ぶ直線上での行きっぷりは、気を抜いている馬とは思えないほど、勇ましいものがある。 走ることの楽しさを、少しずつ学習していくことで、苦しみの部分も感じながら、むしろ、鞍上をリードしていこうというほど、前進気勢への不安が薄らいできた。
他方、この馬はデビュー戦から一度たりとも520kgを切ったことのないような馬。 近年でも、大型馬の春の天皇賞の制覇はあったが、ゴールドシップは横山典弘、連覇のキタサンブラックは春だけで6勝を8つにまで伸ばす異常な加算システムを開発した武豊。
速い馬を駆る舞台ではないが、決して、スピード負けしていたのでは勝負にならない厳しい時計勝負の天皇賞で、歴代トップクラスの勝ちタイムを記録しての勝利、そのような記録が出たレースで上位争いをしていることが多いのも、圧倒的な技量と経験値の豊富さが活かされたものであった。

天皇賞(春)2025 - レース展開と最終予想

しかし、池添謙一騎手にも色々とドラマチックな出会いがあって、チャンスをモノのしてきたのも事実。 デビュー戦から手綱を執った実力型は、意外なほど少ないのだが、ドリームジャーニーで結果を出したことで、自然な形での鞍上固定が決まったその全弟で三冠馬となったオルフェーヴルや、3歳で有馬記念を制した巨漢のブラストワンピースらは、いかにもケンちゃんのお手馬であった。
デリケートな面を覆い隠すというよりも、自由度にあまり制限をかけずに、自然とコントロール下に置かれるという型は、実力以上に活躍していると武豊騎手に冷やかされたこともあったそうだが、いかにも大一番で最大能力を発揮させるのに適した、彼特有の勝ち気があまり馬のストレスとならないアンバランスな部分が、大きな実績作りに直結してきた最大の理由であることは、改めて証明するまでもない。
武豊愛をふんだんに盛り込んだ、競馬サイトにおける企画ものの動画を、つい最近まで、多数アップロードしてきたらしい池添謙一騎手は、殊の外、ユタカリスペクトの表れなのだろうか、この春の天皇賞への思いが強いとされる。 一度は、前出のオルフェーヴルが阪神大賞典で一度死んで蘇ったあとの天皇賞を回ってきただけ…。 もう一回、キタサンブラックが本当のモンスターになる直前の2016年に、阪神大賞典で不利を受けた上で、自分に手が移って、最高の抜け出しを図った直線で、よもやの差し返しに泣いた、あのカレンミロティックでハナ差負けは痛かった。
もちろん、結果だけなら納得のドリームジャーニーの3着も、直後の宝塚記念完勝の流れを作ったのだから、価値は絶大であったものの、欲しいタイトルは勝ち取れないままでいる。 有馬記念4勝、宝塚記念も3勝。 若手に譲っても、このグランプリ部門は一向に構わない現状、クラシックはもうずっと前に総取りしているからこそ、今年こそ、であろう。
思えば、昨年の夏に妙な暴れ方をして、大顰蹙を買う前に、サンライズアースとそっくりな大型のパワフルボーイ・サヴォーナに継続騎乗をして、このレースでは素晴らしい立ち回りをして、好勝負必至と思ったところで、外から経験値が違うスタミナモンスターが、明らかに違う手応えで伸びてきて…。 キタサンブラックのような馬は、本来、このような距離は不得意なはずなのだが、特殊なバランスの競馬を無類の頑強さによってもたらされる調教効果の反映が、底知れぬ成長力と合わさって、適当な馬格だったはずのカレンミロティックの奇襲攻撃を退ける結果となった。
ただ、昨年はいかにもステイヤーという体つきのテーオーロイヤルに、一瞬にして呑み込まれた一戦。 ただ、コーナーワークには不安は残って、広いコースだと、少し飽きっぽさが出てしまうサンライズアースに我慢を求めるシーンも多いはずだが、妙な感じで、勝負所で目標を置いた時の反応が、とても非凡。 大型馬ながら、揉まれ強いことはない性質でも、アスリートとして必須である勝負根性を備える。 直線でそれが出てこないというか、見えてこないレースばかりを続けているが、ゆったり長い時間をかけて、騎手の苦労は多くなったが、デビュー戦の頃から前走まで保たれた、この馬には負けられないという意識が、自慢のロングスパートの強みと合わさった時、立て続けの圧勝劇は十分に想定内だろう。
夏負けの影響で菊花賞を使えなかったが、ダービーで惨敗していた組や、菊花賞にようやく間に合ったヘデントールやアドマイヤテラは、年明けも期待通りに結果を残しているものの、菊花賞の結果よりもダービーの結果の方が、案外、思惑通りの仕上げでもたらした能力値の基準値を示したものであることも多く、成長力でもそうした同期らとまるで見劣らないサンライズアースは、やる気さえ保てれば…。 スイープトウショウやオルフェーヴルに散々手を焼いてきた池添騎手にすれば、真面目に走ろうと前向きさが少しでも出てきたことを、大いに歓迎するだろう。
おかげでコントロールは難しくなったが、オルフェーヴルのような制御不能状態ではなかった阪神大賞典の結果<自身初勝利でもあった>から、その前、自己条件の定量戦で走ったことで、4歳馬の課題である58の酷斤を経験している強みが、60を経験のビザンチンドリームと同じように、57までの経験でG2以上のレースを勝っていないヘデントールに対するアドヴァンテージとして、ここは完全に優位に立てる条件にもなっている。
もし若さを彼らが露呈した時、ようやく自信を取り戻してきたようなジャスティンパレス<一昨年覇者>、ブローンザホーン<昨年2着の宝塚記念勝ち馬>など、同じようにハイレベルなダービーだった有能世代が出張ってくるだろうが、こういう時ほど、キズナ産駒で父の無念を晴らそうとする武豊&ショウナンラプンタが来たりなんかしたりして…。 混戦という見立てはあるが、人気になりそうな4歳勢の才気が上回りそうな情勢、中身がまだ未成熟との見立てもある池添謙一騎手の若さと相まって、無限の可能性を秘めるサンライズアースの長距離でこそ全開になるスピードの持続力に、ここは大いに期待したいところだ。

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天皇賞(春) 過去の予想と結果