安田記念 予想
目次
ここ最近は、名牝たちの春の目標レースとなっているこの安田記念は、実に歴史の長いレースである一方、
当時では珍しい1600Mの注目重賞を、古馬のために作ったということで画期的な存在として、関係者の中にも根付いていきました。
日本中央競馬会初代理事長・安田伊左衛門の名を冠した晩春の東京のハンディキャップ競走として始まったこのレースは、
1984年のグレード制導入に合わせて、趣を大きく変えてGⅠ競走として生まれ変わりました。
初期から、国内のトップマイラーが続々と勝っていき、外国調教馬も数度制しているこのレースは、国内における最高グレードのマイル重賞として、
全ての競走馬の可能性を引き出せる万能の魅力があり、長距離G1の春の天皇賞や短距離の高松宮記念を前走で好走した馬が、
ここでも続けて連対したという記録も残っています。
顕彰馬となった優勝者
開催年 | 馬名 |
---|---|
1990年 | オグリキャップ |
1998年 | タイキシャトル |
2008年~2009年連覇 | ウオッカ |
2013年 | ロードカナロア |
国外のG1も制した名馬
開催年 | 馬名 |
---|---|
2003年 | アグネスデジタル |
2011年 | リアルインパクト |
2014年 | ジャスタウェイ |
2015年 | モーリス |
安田記念の特徴
体調面に大きな問題を抱えていない限り、ほぼ全員が万全の態勢で使えるレースなので、しっかりと使われている馬も秋に大きな舞台を踏んでそれ以来の馬でも
ちゃんと好走することもありますが、当然、疲れているようでは話にならないので、年初から連戦連勝よりは程々に負けているとか、
前哨戦で走りすぎていないいいステップだったと思える馬が、ガラリ一変する面もあって、波乱の多いレースでもあります。
安田記念の歴代優勝馬
1着馬 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 | 2着馬 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 | 3着馬 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 | 前走 | 父名 |
|
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2011年 | リアルインパクト | 牡3 | 54 | 戸崎圭太 | 9 | NHKマイルC③ | ディープインパクト | ストロングリターン | 牡5 | 58 | 石橋脩 | 5 | 京王杯スプリングC① | シンボリクリスエス | スマイルジャック | 牡6 | 58 | 三浦皇成 | 3 | マイラーズC⑥ | タニノギムレット |
2012年 | ストロングリターン | 牡6 | 58 | 福永祐一 | 2 | 京王杯スプリングC④ | シンボリクリスエス | グランプリボス | 牡4 | 58 | 内田博幸 | 13 | マイラーズC⑦ | サクラバクシンオー | コスモセンサー | 牡5 | 58 | 松岡正海 | 15 | マイラーズC<3> | キングカメハメハ |
2013 年 | ロードカナロア | 牡5 | 58 | 岩田康誠 | 1 | 高松宮記念① | キングカメハメハ | ショウナンマイティ | 牡5 | 58 | 浜中俊 | 3 | 産経大阪杯② | マンハッタンカフェ | ダノンシャーク | 牡5 | 58 | C.デムーロ | 12 | マイラーズC③ | ディープインパクト |
【2014年】 | ジャスタウェイ | 牡5 | 58 | 柴田善臣 | 1 | ドバイデューティフリー① | ハーツクライ | グランプリボス | 牡6 | 58 | 三浦皇成 | 16 | マイルチャンピオンシップ⑨ | サクラバクシンオー | ショウナンマイティ | 牡6 | 58 | 北村宏司 | 10 | 産経大阪杯⑤ | マンハッタンカフェ |
2015年 | モーリス | 牡4 | 58 | 川田将雅 | 1 | ダービー卿チャレンジT① | スクリーンヒーロー | ヴァンセンヌ | 牡5 | 58 | 福永祐一 | 3 | 京王杯スプリングC② | ディープインパクト | クラレント | 牡6 | 58 | 田辺裕信 | 12 | マイラーズC⑩ | ダンスインザダーク |
2016年 | ロゴタイプ | 牡6 | 58 | 田辺裕信 | 8 | ダービー卿チャレンジT② | ローエングリン | モーリス | 牡5 | 58 | T.ベリー | 1 | チャンピオンズマイル① | スクリーンヒーロー | フィエロ | 牡7 | 58 | 内田博幸 | 6 | マイラーズC④ | ディープインパクト |
2017年 | サトノアラジン | 牡6 | 58 | 川田将雅 | 7 | 京王杯スプリングC「9」 | ディープインパクト | ロゴタイプ | 牡7 | 58 | 田辺裕信 | 8 | 中山記念③ | ローエングリン | レッドファルクス | 牡6 | 58 | M.デムーロ | 3 | 京王杯スプリングC「1」 | スウェプトオーヴァーボード |
2018年 | モズアスコット | 牡4 | 58 | C.ルメール | 9 | 安土城S② | フランケル | アエロリット | 牝4 | 56 | 戸崎圭太 | 5 | ヴィクトリアマイル<4> | クロフネ | スワーヴリチャード | 牡4 | 58 | M.デムーロ | 1 | 大阪杯① | ハーツクライ |
2019年 | インディチャンプ | 牡4 | 58 | 福永祐一 | 4 | マイラーズC④ | ステイゴールド | アエロリット | 牝5 | 56 | 戸崎圭太 | 3 | ヴィクトリアマイル⑤ | クロフネ | アーモンドアイ | 牝4 | 56 | C.ルメール | 1 | ドバイターフ① | ロードカナロア |
<2020年> | グランアレグリア | 牝4 | 56 | 池添謙一 | 3 | 高松宮記念<2>3位繰上げ | ディープインパクト | アーモンドアイ | 牝5 | 56 | C.ルメール | 1 | ヴィクトリアマイル① | ロードカナロア | インディチャンプ | 牡5 | 58 | 福永祐一 | 2 | マイラーズC① | ステイゴールド |
2021年 | ダノンキングリー | 牡5 | 58 | 川田将雅 | 8 | 天皇賞(秋)⑫ | ディープインパクト | グランアレグリア | 牝5 | 56 | C.ルメール | 1 | ヴィクトリアマイル① | ディープインパクト | シュネルマイスター | 牡3 | 54 | 横山武史 | 4 | NHKマイルC① | キングマン |
2022年 | ソングライン | 牝4 | 56 | 池添謙一 | 4 | 安田記念(G1) | キズナ | シュネルマイスター | 牡4 | 58 | C.ルメール | 2 | 安田記念(G1) | Kingman | サリオス | 牡5 | 58 | D・レーン | 8 | 安田記念(G1) | ハーツクライ |
2023年 | ソングライン | 牝5 | 56 | 戸崎圭太 | 4 | ヴィクトリアマイル① | キズナ | セリフォス | 牡4 | 58 | D.レーン | 3 | ドバイターフ⑤ | ダイワメジャー | シュネルマイスター | 牡5 | 58 | C.ルメール | 1 | マイラーズC① | Kingman |
2024年 | ロマンチックウォリアー | せん6 | 58 | J.マクドナルド | 1 | 香港QE2C① | Acclamation | ナミュール | 牝5 | 56 | 武 豊 | 4 | ヴィクトリアマイル⑧ | ハービンジャー | ソウルラッシュ | 牡6 | 58 | J.モレイラ | 2 | マイラーズC① | ルーラーシップ |
2025年 | ジャンタルマンタル | 牡4 | 58 | 川田将雅 | 2 | 香港マイル⑬ | パレスマリス | ガイアフォース | 牡5 | 58 | 吉村誠之助 | 9 | チャンピオンズマイル⑨ | キタサンブラック | ソウルラッシュ | 牡6 | 58 | 浜中俊 | 1 | ドバイターフ① | ルーラーシップ |
良は無印・○は着順/<稍>「重」【不良】
安田記念 過去10年のデータベース
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
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1番人気 | 3回 | 2回 | 2回 | 3回 | 30% | 50% | 50% |
ノーザンダンサー系 | 2回 | 3回 | 0回 | 25回 | 7% | 17% | 17% |
ミスプロ系 | 1回 | 1回 | 3回 | 21回 | 4% | 8% | 8% |
前々走が東京 | 2回 | 1回 | 4回 | 19回 | 8% | 12% | 12% |
前々走が中山 | 3回 | 2回 | 2回 | 30回 | 8% | 14% | 14% |
前々走が阪神 | 3回 | 1回 | 0回 | 32回 | 8% | 11% | 11% |
前々走が京都 | 1回 | 3回 | 1回 | 13回 | 6% | 22% | 22% |
前々走が中京 | 0回 | 0回 | 2回 | 13回 | 0% | 0% | 0% |
前々走が沙田(香港) | 1回 | 2回 | 1回 | 15回 | 5% | 16% | 16% |
前々走がメイダン(UAE) | 0回 | 0回 | 0回 | 2回 | 0% | 0% | 0% |
当該年ダービー連対騎手 | 1回 | 2回 | 1回 | 13回 | 6% | 18% | 18% |
5歳のG1勝ち馬 | 2回 | 3回 | 1回 | 15回 | 10% | 24% | 24% |
9番人気以下 | 2回 | 2回 | 4回 | 75回 | 2% | 5% | 5% |
過去のデータや傾向を見る限り、狙い目はノーザンダンサー系なのは間違いありません。
都合5回の連対馬登場、2着が3回という構成をする馬が、前年の連対馬でもある関係で、対象は3頭しかいないものの、30通りの可能性、
年3頭ばかりが対象となると理論上の解析をすれば、圧倒的に数の多いヘイロー系を中心とするヘイルトゥリーズン系よりも、狙いを絞りやすいというのは魅力でしょう。
年々、サンデーサイレンス直系の浸食度合いがえげつないレベルになって、かなり信頼性は揺らいでいますが、他のG1と比べても、圧倒的に好走率が高いことだけは覚えておきましょう。
勝ち馬の前走に限れば、中央競馬の主要場や高松宮記念の中京が相当数を占める一方で、ドバイも香港もいるからこそ、
着順なども絡めるとかなりの確率でわけのわからないデータになってしまいます。
そうすると、よりバラエティーに富んだ前々走の結果に関わらず、どこで使っていたかを、
同じ括りで分析すると、高松宮記念や金鯱賞を使っている馬が連対できていないという傾向が出てきました。
高松宮記念から直行の馬は、2勝しているものの、その他大勢はほとんど人気にもならないとすると、
期待されていない限り、中京を3月に使っていた馬の扱いには慎重さが必要に思えます。
安田記念の攻略ポイント
真の名馬のためのレースには違いありませんが、その昔から、人気馬は苦戦しやすい、基本的に混戦ムードの一戦。
断然人気のアーモンドアイは連敗して、モーリスも連覇に失敗しているくらいで、秋くらいから強くなってきて、
年明けに本格化というタイプ以外は、東京で本領発揮のサウスポータイプから狙いたいところです。
ただ、例外が多く出過ぎる一戦だけに、斤量がきついからこそ、若い馬より負けている数に目を瞑っても、過度な人気にならない6歳以上の牡馬を狙うのも面白いでしょう。
安田記念2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り
安田記念2025の予想と最終追い切りの予想を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!
歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。
レース名 | 第75回安田記念(G1) |
グレード | 重賞(G1) |
日程 | 2025年6月8日(日) |
発走時間 | 15時40分 |
開催場所 | 東京競馬場 |
距離 | 芝1,600m |
コース | 左回り |
賞金 | 1億8000万円 |
レコードタイム | 1:30.5 |
安田記念2025予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)
安田記念2025の予想オッズと登録馬
枠順 | 馬番 | 出走予定馬 | 騎手 | 性齢 | 斤量 | 予想オッズ | 人気 | 1週前追い切り | 最終追い切り |
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1 | 1 | シックスペンス | C.ルメール | 牡4 | 58.0 | 4.6 | 1 | 美浦・ウッド・良(ルメール) 5F 68.3-52.8-37.9-11.1(G前仕掛け) | 美浦・ウッド・稍重(助手) 6F 81.2-64.8-50.7-36.7-11.0(馬なり) |
1 | 2 | ダディーズビビッド | 池添謙一 | 牡7 | 58.0 | 98.2 | 16 | 栗東・CW・良(助手) 6F 83.6-68.4-53.7-38.5-11.5(末強め) | 栗東・CW・稍重(助手) 6F 83.4-68.0-52.9-37.8-11.5(強め) |
2 | 3 | マッドクール | 坂井瑠星 | 牡6 | 58.0 | 27.5 | 10 | 栗東・CW・良(坂井瑠) 6F 79.7-63.9-49.4-34.8-11.1(一杯) | 栗東・坂路・稍重(坂井瑠) 800m 53.5-38.4-24.6-11.9(馬なり) |
2 | 4 | ウインマーベル | 松山弘平 | 牡6 | 58.0 | 27.9 | 11 | 美浦・ウッド・良(助手) 5F 66.1-50.8-37.0-11.4(一杯) | 美浦・ウッド・稍重(助手) 6F 84.7-67.9-52.7-37.9-11.7(馬なり) |
3 | 5 | レッドモンレーヴ | M.ディー | 牡6 | 58.0 | 37.0 | 13 | 美浦・ウッド・良(ディー) 6F 80.3-66.0-51.4-37.3-11.3(馬なり) | 美浦・ウッド・稍重(助手) 6F 83.9-68.5-53.6-39.0-11.9(馬なり) |
3 | 6 | グラティアス | 横山和生 | 牡7 | 58.0 | 103.6 | 17 | 栗東・坂路・良(助手) 800m 53.4-39.0-25.6-12.7(馬なり) | 栗東・坂路・稍重(助手) 800m 52.4-38.3-25.1-12.5(馬なり) |
4 | 7 | ガイアフォース | 吉村誠之助 | 牡6 | 58.0 | 31.7 | 12 | 栗東・坂路・良(助手) 800m 53.4-39.0-25.6-12.7(馬なり) | 栗東・坂路・稍重(吉村誠) 800m 51.9-37.1-23.6-11.5(末強め) |
4 | 8 | エコロヴァルツ | M.デムーロ | 牡4 | 58.0 | 14.9 | 8 | 栗東・CW・良(M.デムーロ) 7F 96.8-65.7-51.1-36.3-11.1(稍一杯) | 栗東・坂路・稍重(助手) 800m 53.7-39.2-25.7-12.7(馬なり) |
5 | 9 | シャンパンカラー | 内田博幸 | 牡5 | 58.0 | 44.7 | 14 | 美浦・ウッド・良(内田博) 6F 80.3-64.6-50.1-35.7-10.9(直強め) | 美浦・坂路・稍重(調教師) 800m 51.3-37.7-24.7-12.1(一杯) |
5 | 10 | ジャンタルマンタル | 川田将雅 | 牡4 | 58.0 | 5.0 | 2 | 栗東・坂路・良(川田将) 800m 50.1-36.2-23.8-12.2(一杯) | 栗東・坂路・稍重(助手) 800m 53.6-38.7-24.8-11.7(馬なり) |
6 | 11 | サクラトゥジュール | D.レーン | セ8 | 58.0 | 48.5 | 15 | 美浦・ウッド・良(レーン) 5F 64.5-49.7-35.7-11.4(馬なり) | 美浦・ウッド・稍重(助手) 6F 81.3-65.8-51.0-36.7-11.9(馬なり) |
6 | 12 | ロングラン | 岩田康誠 | セ7 | 58.0 | 23.0 | 9 | 美浦・ウッド・良(岩田康) 5F 70.1-53.7-38.2-11.1(強め) | 美浦・ウッド・稍重(助手) 6F 82.5-66.7-51.9-37.4-11.4(馬なり) |
7 | 13 | ソウルラッシュ | 浜中俊 | 牡7 | 58.0 | 5.9 | 3 | 栗東・CW・良(浜中俊) 6F 81.5-65.7-50.7-35.2-10.5(馬なり) | 栗東・坂路・稍重(助手) 800m 52.3-38.3-24.2-11.8(末強め) |
7 | 14 | ウォーターリヒト | 菅原明良 | 牡4 | 58.0 | 13.5 | 6 | 栗東・CW・良(助手) 6F 83.0-66.3-51.8-37.1-11.2(一杯) | 栗東・坂路・稍重(助手) 800m 53.8-39.4-25.5-12.4(末強め) |
7 | 15 | ホウオウリアリティ | 丹内祐次 | 牡7 | 58.0 | 149.2 | 18 | 栗東・CW・良(助手) 6F 83.8-68.4-53.2-38.3-11.8(一杯) | 栗東・坂路・稍重(助手) 800m 54.3-38.3-24.8-12.3(馬なり) |
8 | 16 | トロヴァトーレ | 横山武史 | 牡4 | 58.0 | 9.0 | 4 | 美浦・ウッド・良(横山武) 6F 84.8-68.2-52.7-37.4-11.4(強め) | 美浦・ウッド・稍重(横山武) 6F 84.9-68.8-53.6-38.3-11.3(馬なり) |
8 | 17 | ジュンブロッサム | 武豊 | 牡6 | 58.0 | 14.2 | 7 | 栗東・CW・良(助手) 5F 68.8-52.8-37.1-10.9(末一杯) | 栗東・坂路・稍重(助手) 800m 56.0-40.2-24.9-12.0(馬なり) |
8 | 18 | ブレイディヴェーグ | 戸崎圭太 | 牡5 | 56.0 | 10.8 | 5 | 美浦・ウッド・良(戸崎圭) 5F 68.2-53.2-38.0-11.0(G前仕掛け) | 美浦・ウッド・稍重(戸崎圭) 6F 82.5-66.3-51.1-36.4-11.0(馬なり) |
脚質 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
逃げ馬 | 1回 | 3回 | 0回 | 16回 | 5.0% | 20.0% | 20.0% |
先行馬 | 4回 | 3回 | 3回 | 57回 | 6.0% | 10.4% | 14.9% |
差し馬 | 13回 | 8回 | 10回 | 129回 | 8.1% | 13.1% | 19.4% |
追い込み馬 | 2回 | 6回 | 7回 | 78回 | 2.2% | 8.6% | 16.1% |
枠順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1回 | 3回 | 2回 | 31回 | 2.7% | 10.8% | 16.2% |
2枠 | 3回 | 3回 | 3回 | 28回 | 8.1% | 16.2% | 24.3% |
3枠 | 3回 | 3回 | 1回 | 32回 | 7.7% | 15.4% | 17.9% |
4枠 | 2回 | 2回 | 2回 | 33回 | 5.1% | 10.3% | 15.4% |
5枠 | 4回 | 2回 | 1回 | 33回 | 10.0% | 15.0% | 17.5% |
6枠 | 0回 | 3回 | 3回 | 34回 | 0.0% | 7.5% | 15.0% |
7枠 | 5回 | 2回 | 3回 | 43回 | 9.4% | 13.2% | 18.9% |
8枠 | 2回 | 2回 | 5回 | 46回 | 3.6% | 7.3% | 16.4% |
種牡馬 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 36回 | 15回 | 13回 | 147回 | 17.1% | 24.2% | 30.3% |
ロードカナロア | 28回 | 32回 | 24回 | 173回 | 10.9% | 23.3% | 32.7% |
エピファネイア | 26回 | 18回 | 23回 | 137回 | 12.7% | 21.6% | 32.8% |
モーリス | 21回 | 20回 | 22回 | 135回 | 10.6% | 20.7% | 31.8% |
ドゥラメンテ | 19回 | 17回 | 13回 | 105回 | 12.3% | 23.4% | 31.8% |
キズナ | 14回 | 18回 | 9回 | 92回 | 10.5% | 24.1% | 30.8% |
ハービンジャー | 10回 | 15回 | 6回 | 85回 | 8.6% | 21.6% | 26.7% |
ルーラーシップ | 10回 | 12回 | 12回 | 115回 | 6.7% | 14.8% | 22.8% |
イスラボニータ | 10回 | 11回 | 5回 | 62回 | 11.4% | 23.9% | 29.5% |
キタサンブラック | 10回 | 6回 | 5回 | 47回 | 14.7% | 23.5% | 30.9% |
安田記念2025 - 過去10年のデータ傾向
馬券になっているだけましな方な、最近の安田記念人気馬
1番人気に限ると、4週連続G1制覇に期待が集まったルメール騎手が乗った6歳時のイスラボニータと、いくら何でも無理が過ぎた印象のイルーシヴパンサーらが消えたのみ。
カタカナの騎手名が目立つ関係で、この中でイルーシヴパンサーの田辺騎手と4歳時に勝ったモーリスの鞍上・川田騎手らが妙な目立ち方をしている。 今年もルメールか、レーンか。 レーン騎手は意外にも勝ち切ったことがないため、後見人たる堀調教師がどうにかしてあげたいと思いながら、怪しいタレントの筆頭格であるサリオスと同世代のサクラトゥジュールを提供するので精いっぱいで…。 クリストフかタケシか、功を上げながら鞍上が最近ほど不安定化するソウルラッシュのスグルなのか…。 今年は怪しい年の方であろう。
大阪杯から連続好走するための条件
スワーヴリチャードは今や、試し甲斐のある種牡馬となっているから、むしろ、日高の生産者に喜ばれそうなのだが、彼を除くと、レジェンドが乗ったジャックドールも最後伸び負けしたほどで、簡単ではない。
スワーヴリチャードはダービーの2着馬であり、当該年のジャパンCで好走。 引き続き、秋の天皇賞も人気になったが、リンクスティップの桜花賞のようなことが起きた天皇賞は、またしても、レイデオロに完敗であった。
G2時代でも、近年ほど走っていなかったから、この後行われるしらさぎS<サマーシリーズ初戦の旧米子S>によくわからない好メンバーが、中距離から転戦してわんさか訪れるのに対し、シックスペンスとエコロヴァルツのような世代の一線級に一歩届かない馬だと、再度の敗戦は濃厚であり…。 とはいえ、無下にできないほど、今年は昨年以上にタレント不足。 牝馬で強い馬も限られ、これも乗り替わり。 フレッシュな馬ほど有利な安田記念という定説は、90年代の初期にはもう一般的となっていたから、負けているからには相応の実績があって然るべきでありとなって…。 短縮効果を狙うなら、崩れていない方のエコロヴァルツの地味ながら、堅実な部分をここで買うべきだろうと思う。
G3組で来たのは馬鹿みたいに強い馬と、ダービーでも人気になった皐月賞馬
モーリスはダービー卿圧勝後に、翌年は、ハイレベル決着の2着馬だったロゴタイプが無双状態になっていたモーリスの連覇と連勝の記録を止めた。
昔よりも選択の幅が広くなりすぎたせいで、相応の格に見合ったレースを選択できるようになった半面、ある意味で、まともに裏路線である格下重賞の参戦者が、強引に勝ち切るには相応の理由がいるとなってくる。 ロゴタイプのダービー卿は、マジックタイムが勝って、3着が翌年に安田記念を勝ち切るサトノアラジンが入ったレース。 結果に不満が、それも後から出るはずもない。 その時のモーリスは、少し疲れていただけである。
トロヴァトーレやパンチの強い決着だった東京新聞杯直行組もいるが、順当に、モーリスタイプのトロヴァトーレが、混戦模様というより、秋のマイル戦線で生き残れるか不明の馬ばかりの組み合わせの中で、唯一、ソウルラッシュあたりに格負けしなさそうなメンツとなった。 あとは、勝ち運が宿るのかどうか。 鹿戸厩舎と横山武史騎手が、シンボリクリスエスの今度はひ孫でG1獲りを目指すわけだが、少し前の雰囲気に戻れば、ダートにはモンスターが控える武史騎手だけに…。 ダート二冠に弾みをつける勝利を挙げられるだろうか、なんて、これではまるでおかあさん目線ではないか。
前例のないことはしばしば起こるレース
京王杯スプリングCが重馬場になったことで、人気にまるで応えられなかったサトノアラジンは、パンパン馬場だった本番で末脚全開。 この辺りから、ストップザ・ルメールが共通テーマになるトップシーズンの開催が多くなったことを象徴するかのような、2017年の1番人気は前出のイスラボニータであった。
秋の天皇賞を使った後、それも大惨敗の後に、それがそもそも休み明け、前々走は1年前の安田記念というダノンキングリーをグランアレグリア潰しの刺客に仕立てたのが、この時に初騎乗だった川田騎手。 言わずもがな、これもクリストフを懲らしめた一戦。
何も悪いことはしていないルメール騎手だが、ムーア騎手もモレイラ騎手も、自身が冴えないと、途端に飢えた獣たちの餌食になるのは宿命だろう。 一息でそのシーズンを押し切るというミッションではないが、ひとつの季節を勝ち続けるような最強伝説は、日本ではまず不可能。 そういうところで、短い期間に川田騎手が仕事をしたということ、加えて、香港の中距離型でありながら、オーストラリアのコックスプレートを経て、どんどん内面が充実していくための、究極の一手に選んだ安田記念を勝ち切ったロマンチックウォリアーは、その後も勝ちづけたが、いつもその傍には川田騎手がいた。
連闘のモズアスコットはルメール<2019年は長期騎乗停止からの復帰週に勝利>、その他で近年、異例の1勝となったのは、中距離G1からの連勝を決めたジャスタウェイ以来の開所を成し遂げたロマンチックウォリアーのみ。 知らないことを問うG1というのは、どことなく、クラシック第一冠のような雰囲気も醸しているが、本物の資質が問われる一戦に、ソングラインのような存在が見つかればうれしいが、刹那の感謝を伝える存在以外で威厳を保てるような馬となると、ロマウォ討ちのソウルラッシュか、完全に低迷期に入ってしまって走れなかったジャンタルマンタルのいずれかであり…。
ダービーは北村友一騎手が再びクローズアップされ、それの前後の期である両者が一戦交えるとして、上がり目を期待するならば、無理くりでも香港遠征をして、ある意味で準備完了の休み明けとなったジャンタルマンタルに、ダノンキングリーの二番煎じを期待するのでは、都合が良すぎるのは事実だが、他が買う気がしないので…。
安田記念2025- 出走予定馬の血統/成績/タイム
これ、ジャンタルさん勝てますよ、とか何とか言って、ユウガさんに奮起を促していただきたく思う
ジャンタルマンタルの血統
過去10年では同ミスタープロスペクター系の安田記念覇者はおらず、20年に広げても、あのロードカナロアが2013年に出てくるだけ。 もう10年引っ張ってみても、改修後最初の開催になった2003年のアグネスデジタルしか見つからない。 ネイティヴダンサー系そのものが流行ってこなかった馬産の傾向からも、最大拡張を、ファラリス系でこのネイティヴダンサーを経ている直系子孫と括ると、アグネスデジタルと同じく、大レコードを叩き出して快勝のオグリキャップしか存在しない。
死の道は、東京直線へ繋がり、その中で没する…。 ロードカナロア産駒はそろそろ人気落ちで不思議ないブレイディヴェーグとレッドモンレーヴ。 ドゥラメンテならば、このコースのG1ウイナーであるシャンパンカラー。 レイデオロ産駒からは人気になりそうなトロヴァトーレが、その他では、確たる軸馬になれそうなソウルラッシュに、ウインモナークやオニャンコポンなども出てくる。
半分いるなら、その中からでもいいではないのか…。 母父スマートストライクであるシンボリクリスエス産駒のストロングリターンは、2度目の挑戦で勝利。 キングマンボを経ていないミスプロ系の馬は、他だと、ウインモナークだけであるから、変化球が狙い目ということではなくして、本当に強いネイティヴダンサー系だけを厳選した上で…、のレース傾向を逆手に取り、スマートストライク直系のジャンタルマンタルは好相性で何ら不思議ないと、勝手に都合の悪い解釈を排除。
最近は、土日が雨ばかりで、一時期より勝ち時計の基準が超高速となっていない傾向からも、NHKマイルCで1分32秒台で駆けたのが最高の記録であるジャンタルマンタルには味方しそうだが、問題は出来云々以前に、成長力の方…。
母父のウィルバーンという馬は、東海岸の8.5Fを中心に5勝という3歳時の記録があって、BCダートマイルで1番人気になったほどの馬だが、そのレベルで戦える馬ではなかったようだ。 その代表産駒にジャンタルの母であるインディアマントゥアナが挙がるのだが、これがまた変わり種で、4歳の走り初めまで東海岸にいて、西海外に移籍して芝を使われ出して、芝の中距離で重賞を1つ勝ったという一流に届かない馬。 ただ、パレスマリスがベルモントSを勝った翌年にマイルのG1も勝ったような馬だから、成長力と同様に、何か変わったことをする可能性を秘める。
川田将雅にその手のタイプがあっているかはともかく、秋の天皇賞以来だったダノンキングリーに唯一のタイトルをプレゼントするなど、安田記念での功績が目立つ鞍上に、1年で1走しかしていないG1の2勝馬で安田記念で見せ場を作って見せろというサイコパスミッションは、意外なほど、シンプルな仕事にも思える。
モーリス、サトノアラジン、ダノンキングリーらは、どこかかみ合わないことの多かった世代のトップランナーでもあったから、そもそも、エース級に育っていたジャンタルマンタルのことくらいは…。 ミスプロの縛りよりも、このことの都合のいい解釈をした場合の方が、ずっと合点がいくということか。
成長力の点に疑問符が付くことはないということだけでも、血統的見地からの分析は有効に思えるが、ピンかパーの典型のようなローテの馬ならば、一点突破であとは知らない=ダメなら全然ダメ、というくらいの腹の括り方をするわけだから、このような無理筋を通せるだけの血統の持つ底力を一節吟じたなら、もうお楽しみタイムばかりである。 レースなんてずっと先でいいのである。血統という便利ツールは、実に、都合のいいアイテムである。
ジャンタルマンタルにとって、キャリア3戦目となった朝日杯フューチュリティSは、昨年と異なり、本来の阪神競馬場での開催であったが、モーリス産駒のシュトラウスやダノンマッキンリーなどは、盛大にやらかすなど、エコロヴァルツに騎乗した、ここが復帰週だった武豊騎手に、危機対応を迫るほどの危ない展開を、難なく、鞍上の鋭い読みを丁寧な事態な処理と掛け合わせるように、実に鮮やかなインからの早め抜け出しで、完勝の結果へと導くことに成功。 川田騎手は昨年の京都開催でも完勝だったから、このレースはそれはそれで、読み切れたスローとその中での折り合いの苦闘とを合わせ、苦労も多かったが、難しい手札の切り方を求められる2、3歳の重賞で、この上なく、その技術を遺憾なく見せつける特性から、若駒のレースを正しい結論へと導くことに関し、JRAでは最高のポジションにあるように感じる。
同時に、激しい決闘を余儀なくされる古馬とのタイトルマッチへと赴くと、日本人らしさというか、狡猾さで二枚くらい物足りなさがあるから、その他大勢の日本出身の騎手と同じで、苦しいシーンをいくらでも繰り返してきた一人でありながら、ここまで唯一となる、ドバイワールドC、ブリーダーズC諸競走いずれも、日本人の騎手として、初制覇の快挙を成したことは、ある意味、的確な分析の成果が、結果に現れた最高の実績とも言い換えることが可能。 技術の研鑽を騎手学校の頃から求められる立場だった川田騎手には、意外なほど、最適解を見つけることへの最短ルートを、各馬ごとに見つけ出すという作業が、天性の才能で己の道を切り開てきたようなセンスの人たちよりも、経験を多く積み重ねることで、より確度が上がって、そこまで難しくなっていないのかもしれないと、ウシュバテソーロやラヴズオンリーユーなど、途中から手綱を委ねられた立場での制覇という結果からも窺い知れると思えた。
安田記念2025 - レース展開と最終予想
一方で、早くからセンスの良さを武器としてきたジャンタルマンタルに、苦しい競馬を強いることは、相手強化の環境に早くから馴染んだ、世代の上位グループのハイレベルな環境という条件以外に、実は、自身の進化=自然な形での成長を求めることを除くと、その点での伸びしろが意外なほど、振れ幅がそもそも小さいタイプの馬であるからこそ、急に豪脚を繰り出す馬に作り変えることが難しいなどの個性も踏まえ、選択肢の狭さがネックになっていた。
その過程で、使いたいレースに使えない日々が続き、復帰戦が延び延びになったNHKマイルC完勝後<共同通信杯と皐月賞でジャスティンミラノとは真っ向勝負を繰り広げた中で、当然の結果であった>、ストレスの掛かり方が尋常ではなかっただろうジャンタルマンタルが選んだ次走というのが、異例も異例、国外最初のレースともなった古馬初戦の香港マイルであったのである。 毎日王冠にも富士Sにも、当然、マイルチャンピオンシップにも出られなかったわけで、東京新聞杯も中山記念も斤量面の死角と出来の問題が大きな障壁となり、57kg以下で走れる香港が、意外なまでに適鞍であったというわけだ。
大きな影響を及ぼすオーストラリアの流儀で、連闘など日常茶飯事、距離の短縮延長の幅も従って大きくなる、シンザンのような使い方が当たり前の香港において、古馬G1勝者でもない小僧が、こうしたローテで通用するはずがない。 ただ、動きは思わしくなかったものの、形だけでも戦う姿勢を好位付けの中で体現できただけ、走れる態勢そのものは整わなかったとて、動ける状態に持っていくためのステップに、仕方なしの大挑戦は、無駄骨ではない程度の正しいプロセスとなっている可能性は大いにあるように感じた。
無理に位置を取りに行くようなタイプではなく、日本のハイペースの競馬でも少し前向きさのコントロールを鞍上が調整していく必要があるほどに、ジャンタルマンタルは有能なマイラーである。 皐月賞も見せ場十分であり、振り返ると、マイラーでも通用の年はあるのだが、そういう時に限って、途轍もなく距離適性でジャストフィットした才能がいるものだから、ジャンタルマンタル自身が、仕方なしに世代レベルの判定に適した装置となってしまった部分は否めない。 長かっただけならともかく、もうこの距離で戦えそうにないと諦めざるを得なかった皐月賞の結果は、よりマイラーとしての自力強化を求められる立場になったことを、天下に知らしめたということでは、陣営に迷いが消えるきっかけともなったはず。
ただし、デビューから押せ押せで、チャンピオンになってからも、年明けの3戦目がNHKマイルC。 そこがベストパフォーマンスであったなら、しばらく、スランプは已む無しであったのかもしれない。 当然、香港も上出来には程遠い状態。
がしかし、もう同期のライバル同士で戦える立場ではなくなり、一線級の古馬との戦いを強いられる、その2戦目が、これぐらいの相手関係であれば、ジャンタルマンタルの調子如何では、不安な材料が全て吹っ飛ぶような復活劇が期待できる。
香港マイルで無理くり位置を取った上で、直線でこそギアは上がらなかったが、そうした過程に持ち込むために、自分の型をまずが取り戻す必要があるから、普段以上に強めのアシストを加えるというのは、一流馬の復活の過程では、特にスピード型の馬やタフな牡馬ならば距離問わず、今でもよく行われるもの。 刺激を与えない限り、怠け癖がついてしまっては、その馬の戦績の瑕は増えていくばかりだ。
無事に走れる馬ほど、レースでは本気を出していないことが多く、勝ち味に遅くて、惜敗を重ねるのが普通。 勝ち切れる馬には一定の休養は必須要素であり、1年近いオーバーフォールを経て、いきなり完全復活を期待するには、香港のA級馬が集まるマイル以下のカテゴリーで戦えた意味は大きい。 正直、そうした舞台へと挑めそうな馬が、数度香港に行ってるソウルラッシュを除いて、今回はスプリントでもマイルでも数が少ない。 香港の休み明けは苦しいが、安田記念はオグリキャップの時代から、余裕ローテの馬やフレッシュな急進勢力の馬が台頭してきた。
いっぱい春に使ってきた馬が勝ち切ることはまず難しい。 4月の頭までに使っていた、前走ハイレベル重賞の馬であるなら、歴史的に見ても、何とか臨戦過程の許容範囲内であり、年明け3戦目以内でなければ、詰めたローテも厳しいというのは、どこの日本の芝重賞でも同じ傾向ながら、余力勝負の晩春のG1では、大きなファクターともなっている。 秋に一つ使えただけでも儲けもの。 まさにそういうローテーションのダノンキングリーをG1馬に導いたのが、ここで初騎乗だった川田騎手であった。
勝ち切るために必要な要素は、今回に限れば、元気になっているということにほぼ絞りこまれる状況ならば、1番人気にはなりづらい、前走内容と臨戦の過程からも、5番人気以内は確定的にしても、立場上は、ソウルラッシュよりもずっと気楽。 初G1獲り狙いでも、3月頭からここが3戦目のシックスペンスは、G1で人気を裏切り、鞍上の変更も必要だった臨戦過程から、東京が特別得意ではない性格のキレ馬であることからも、過剰人気で狙う手はない。
とは言っても、G1レースの中心馬を格下扱いをせざるを得ない、適性外っぽい印象の多くの伏兵の中から選ぶことも難しい組み合わせ。 近年、多くの実益を与えてくれて来た牝馬は、今年は、何故か故障明けから使い詰めの状態のブレイディヴェーグのみ。
一見、怪しげなローテの実績馬のようで、年明け初戦の馬は、中3週以内の馬よりも、凡走続きだったという馬も一変があるレースだけに、確率論では難しいようで、オグリキャップやジェニュインなどの旧コース時代のA級馬や、アグネスデジタルが勝った年のアドマイヤマックスなど、ジャスタウェイと雨馬場の死闘を演じたグランプリボスもいて、それとほぼ似た印象の参戦であったダノンキングリーなど、型通りに順調なローテの馬には、案外厳しいという傾向の裏の買い材料に、実績十分の馬の休み明けというところに、今風ではないというローテ、あれだけハードローテを重ねたオグリキャップも1990年に休み明け完勝だったことから、前走だけ、敗因しか存在しないG1参戦だったジャンタルマンタルを嫌う要素が、意外なほど少ないということに気づいてしまうと、買う馬が限られると決め打った以上、もう狙いはほぼ一点。
さすがに、古馬のタイトルで上位争いをしたことがないことで、少々の割引が必要だったが、クラシックをろくに走っていない、前走G3完敗だったアドマイヤマックスは、武豊騎手の巧みなエスコートもあったとはいえ、その後証明される実力の一端を、休み明けから全開にしていた。 秋までまた使うレースはなく、いくなら、欧州のビッグレース、主に英仏の直線競馬が狙いとなるジャンタルマンタルに、目一杯の仕上げでなくとも、勝ち負け必至の安田記念は、実についているように思えた。
勝ち運を一気に取り戻し、鞍上に、切ない思いを振り払うための哀悼の時間を、あの娘の骨が返ってきたという報に接し、再び前向きになれるような結果を得られた時、人馬とも、重要なターニングポイントとなり得る再出発の舞台に、この安田記念は実に相応しい存在であろうとも得るのだが、ジャンタルマンタルは理解しているのだろうか。 まだまだ伸びしろがあるという陣営の判断は間違いない。 高野厩舎とすれば、ナミュールのお返しもある。 勝ち負けに持ち込み、再度、軌道に乗せていきたいところだろう。