朝日杯フューチュリティステークス 予想

朝日杯フューチュリティステークスを予想!

長く東の2歳王者決定戦として認識されてきた暮れの中山の名物競走でしたが、クラシック競走、とりわけ皐月賞との繋がりがここ20年ほどはかなり薄れるような傾向と合わせて、
阪神で後発の2000M重賞として行われてきたラジオたんぱ杯・NIKKEI杯の方がその役目を大いに果たしていることに加えて、中山には2000Mのオープン特別・ホープフルSがあったことで、
統合とシャッフルをした結果、2014年の開催から朝日杯とラジオNIKKEI杯&ホープフルSの合体レースの施行場所を変更、今の体系が大まかに作られました。
特に、朝日杯らしさの変化はなく、極端なハイペースがなくなり、牝馬が人気になる年もありましたが、中山時代から40年ほど牡馬が勝ち続けています。

朝日杯フューチュリティステークスの主な勝ち馬

・グランプリボス 2010年
・ロゴタイプ 2012年
・アドマイヤマーズ 2018年
・サリオス 2019年

朝日杯フューチュリティステークスの歴代優勝馬

 1着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 2着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 3着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2010年
グランプリボス
牡2
55M.デムーロ
5京王杯2歳S①
サクラバクシンオー
リアルインパクト
牡2
55F.ベリー
4京王杯2歳S②
ディープインパクト
リベルタス
牡2
55福永祐一
2500万①
ディープインパクト
2011年アルフレード
牡2
55C.ウィリアムズ
1500万①
シンボリクリスエス
マイネルロブスト
牡2
55蛯名正義
4東京スポーツ杯2歳S【9】
ゼンノエルシド
レオアクティブ
牡2
55横山典弘
8京王杯2歳S①
アドマイヤムーン
2012年
ロゴタイプ
牡2
55M.デムーロ
7500万①ローエングリン
コディーノ
牡2
55横山典弘
1東京スポーツ杯2歳S①
キングカメハメハ
ゴットフリート
牡2
55C.スミヨン
3500万①
ローエングリン
2013年ここまでは中山1600
アジアエクスプレス
牡2
55R.ムーア
4500万①ヘニーヒューズ
ショウナンアチーヴ
牡2
55後藤浩輝
6500万①
ショウナンカンプ
ウインフルブルーム
牡2
55和田竜二
5500万①
スペシャルウィーク
<2014年> この年から阪神1600
ダノンプラチナ
牡2
55蛯名正義
1500万①ディープインパクト
アルマワイオリ
牡2
55勝浦正樹
14デイリー杯2歳S④
マツリダゴッホ
クラリティスカイ
牡2
55岩田康誠
3いちょうS①
クロフネ
2015年
リオンディーズ
牡2
55M.デムーロ
2新馬①
キングカメハメハ
エアスピネル
牡2
55武豊
1デイリー杯2歳S<1>
キングカメハメハ
シャドウアプローチ
牡2
55中谷雄太
11京王杯2歳S③
ジャングルポケット
2016年
サトノアレス
牡2
55四位洋文
6500万①
ディープインパクト
モンドキャンノ
牡2
55M.バルザローナ
7京王杯2歳S②
キンシャサノキセキ
ボンセルヴィーソ
牡2
55松山弘平
12デイリー杯2歳S②
ダイワメジャー
2017年
ダノンプレミアム
牡2
55川田将雅
1サウジアラビアロイヤルC<1>
ディープインパクト
ステルヴィオ
牡2
55C.デムーロ
3サウジアラビアロイヤルC<2>
ロードカナロア
タワーオブロンドン
牡2
55C.ルメール
2京王杯2歳S①
レイヴンズパス
2018年
アドマイヤマーズ
牡2
55M.デムーロ
2デイリー杯2歳S①
ダイワメジャー
クリノガウディー
牡2
55藤岡佑介
7東京スポーツ杯2歳S⑦
スクリーンヒーロー
グランアレグリア
牡2
55C.ルメール
1サウジアラビアロイヤルC①
ディープインパクト
2019年
サリオス
牡2
55R.ムーア
1サウジアラビアロイヤルC①
ハーツクライ
タイセイビジョン
牡2
55武豊
2京王杯2歳S①
タートルボウル
グランレイ
牡2
55池添謙一
14未勝利<1>
ルーラーシップ
2020年グレナディアガーズ
牡255川田将雅7
未勝利①
フランケルステラヴェローチェ
牡255横山典弘
2
サウジアラビアロイヤルC【1】
バゴ
レッドベルオーブ
牡255福永祐一
1
デイリー杯2歳S①
ディープインパクト
2021年ドウデュース
牡2
55武豊
3
アイビーS①
ハーツクライ
セリフォス
牡2
55
C.デムーロ
1
デイリー杯2歳S①
ダイワメジャー
ダノンスコーピオン
牡255松山弘平
4
萩S①
ロードカナロア
2022年ドルチェモア牡255坂井瑠星1サウジアラビアロイヤルC①ルーラーシップダノンタッチダウン牡255川田将雅2デイリー杯2歳S②・阪神ロードカナロアレイべリング牡255横山武史3新馬①フランケル
2023年ジャンタルマンタル牡256川田 将雅1デイリー杯2歳S①Palace Maliceエコロヴァルツ牡256武 豊4コスモス賞①ブラックタイドタガノエルピーダ牝2 55団野 大成52歳新馬①キズナ
2024年アドマイヤズーム牡256川田将雅 52歳未勝利①モーリスミュージアムマイル牡256C.デムーロ2黄菊賞(1勝クラス) ①リオンディーズランスオブカオス牝2 56吉村誠之助92歳新馬①シルバーステート

朝日杯フューチュリティステークスの特徴

阪神のレースになってからというもの、中山で頻発していた猛ペースが全くなくなり、1番人気の好走率がぐっと上がりました。

人気1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気6回4回6回4回30%50%80%
2番人気6回4回2回8回30%50%60%
3番人気1回2回2回15回5%15%25%
4番人気2回2回1回15回10%20%25%
5番人気1回2回3回14回5%15%30%
6~9番人気4回4回2回70回5%10%12.5%
10番人気以下0回2回4回133回0%1.4%4.3%

フェアな作りであるワンターンのコースとはいえ、若い馬には厳しい直線の急坂の効果もあって、先行して粘り込めるようなイージーさは皆無であるからこそ、
同じワンターンの東京で同じような先行抜け出しをしない限り、まず差し馬が台頭するレースです。
中山の頃よりも1800M以上の実績は意味をなさなくなっている一方で、たまに頑張っていた短距離型の台頭もなくなり、この辺りが人気馬有利の流れに繋がっているのではないかと思われます。

朝日杯フューチュリティステークス 過去10年のデータベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気5回2回2回1回50%70%90%
前走サウジアラビアロイヤルCで1着3回1回2回0回50%67%100%
前走サウジアラビアロイヤルCで2着0回1回0回5回0%17%17%
前走サウジアラビアロイヤルCで3着以下0回0回0回1回0%0%0%
前走デイリー杯2歳Sで連対馬2回3回2回8回13%33%47%
前走デイリー杯2歳Sで3着以下/オープン賞金加算実績あり0回1回0回4回0%20%20%
前走が京王杯2歳Sで連対馬0回2回1回11回0%14%21%
前走が京王杯2歳Sで3~5着0回0回1回4回0%0%20%
前走がベゴニア賞2回0回0回3回40%40%40%

沢山勝っている馬を狙うと痛い目に遭うことは間違いありません。

若い馬同士の争いで、キャリアや実績は重要なようで、スピード優先の短距離で勝ち星を重ねるくらいなら、
そんな単調な馬に育てないように大事に使われていた方が遥かに有利というデータが、3勝以上の馬の惨憺たる戦績として現れています。

唯一の勝ち星はマイル戦3連勝でGⅡ勝ちのアドマイヤマーズだけ。
中山時代より、1勝少ない実績でも足りていることから、新馬戦のみがキャリアの現種牡馬・リオンディーズが勝利したという流れにも合点がいきます。

そういう傾向もあって、2勝馬の選択が重要です。

確率論的には、オープンクラス初挑戦の馬の方が有利なようで、様々な経緯を経てここに挑む重賞実績馬が不利なわけではないというのが、レース攻略の肝となります。
その中で重要なのは、重賞勝ち馬の選択で、GⅡはレースレベルがGⅢと大差はないメンバーでも、連対確率が高いからこそ、頭狙いでなくても、
基本的にはしっかり拾わないといけない存在であって、1200~2000MまであるGⅢの好走実績よりは、安心できる要素にもなります。
マイルのGⅢのみ信用して、その他はGⅡか、新顔の2勝馬から。
オープン馬らしい振る舞いも、ここでは重要という話なのでしょう。

朝日杯フューチュリティステークスの攻略ポイント

中山と阪神でエグいほどの変化が起こったのが、勝ち馬の血統。
要するに、クラシックでも対応可能の系統が、血統の底力で制しているという流れが確定的で、ホープフルSのGⅠ昇格後の方がレパートリー豊富という流れと、それぞれのコース設定に見合った傾向が出ています。
間違っても、短距離向きにシフトしたミスプロ系が3着止まりのタワーオブロンドン以上に活躍するシーンは、想定する必要はなさそうです。

朝日杯フューチュリティステークス2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

朝日杯フューチュリティステークス2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第77回 朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)
グレード重賞(G1)
日程2025年12月21日(日)
発走時間15時40分
開催場所阪神競馬場
距離芝1,600m
コース右回り
賞金7,000万円
レコードタイム1:32.3

朝日杯フューチュリティステークス2025予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定前)

朝日杯フューチュリティステークス2025の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
--アイガーリー武豊牝255.026.96--
--アドマイヤクワッズ坂井瑠星牝255.04.12--
--エコロアルバ松山弘平牝255.05.43--
--カヴァレリッツォC.デムーロ牝255.05.64--
--カクウチ岩田望来牝255.096.214--
--グッドピース西村淳也牝255.080.813--
--コスモレッド藤岡佑介牝255.0152.317--
--コルテオソレイユ○○牝255.052.110--
--ゴーゴーリチャード○○牝255.098.215--
--サンブライト○○牝255.0129.216--
--スウィートハピネス○○牝255.028.57--
--ストームサンダー岩田康誠牝255.0152.618--
--スペルーチェ三浦皇成牝255.035.99--
--ダイヤモンドノットC.ルメール牝255.08.75--
--タガノアラリアF.ジェルー牝255.033.18--
--ホワイトオーキッド西塚洸二牝255.065.011--
--リアライズシリウス津村明秀牝255.03.31--
--レッドリガーレ吉村誠之助牝255.073.712--
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回0回2回19回4.5%4.5%13.6%
先行馬10回5回6回54回13.3%20.0%28.0%
差し馬7回13回10回97回5.5%15.7%23.6%
追い込み馬2回2回2回91回2.1%4.1%6.2%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠6回2回2回27回16.2%21.6%27.0%
2枠4回3回5回27回10.3%17.9%30.8%
3枠2回5回2回31回5.0%17.5%22.5%
4枠2回2回4回32回5.0%10.0%20.0%
5枠1回3回1回34回2.6%10.3%12.8%
6枠2回5回1回32回5.0%17.5%20.0%
7枠1回0回4回37回2.4%2.4%11.9%
8枠2回0回1回41回4.5%4.5%6.8%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ロードカナロア19回26回20回159回8.5%20.1%29.0%
エピファネイア17回17回20回134回9.0%18.1%28.7%
モーリス15回12回20回117回9.1%16.5%28.7%
キズナ14回15回10回121回8.8%18.1%24.4%
ルーラーシップ14回8回7回81回12.7%20.0%26.4%
ハーツクライ13回9回11回91回10.5%17.7%26.6%
ディープインパクト12回19回14回118回7.4%19.0%27.6%
キングカメハメハ11回3回2回28回25.0%31.8%36.4%
ドゥラメンテ10回4回3回95回8.9%12.5%15.2%
リオンディーズ8回14回9回77回7.4%20.4%28.7%

朝日杯フューチュリティステークス2025 - 過去10年のデータ傾向

10年で4勝と見るか、3着以内率80%と見るかで、その価値は変わる

ドウデュースやダノンプレミアムが、好時計で駆け抜けて、サリオスとジャンタルマンタルは本流クラシックでも、ドウデュースには及ばないにしても、ここを完勝することで、勢いに乗せるための流れを掴んだまま、強烈なライバル馬に伍して戦って見せた。
3着に敗れたグランアレグリアとレッドベルオーブは、相手は強かったということもあるが、ミスエルテと共に、牝馬が売れすぎる状況は、少し割引きが必要ともできる。 着外のもう一頭である昨年のアルテヴェローチェなどと共に、軽い相手との楽勝や、時計はいいが接戦だっただとか、あまりいいステップではないないケースで人気になるようでは怖い。 サリオスは排気量の大きさで、無理やり勝ち切った前走を経て、本能の赴くままの激走で、クラシックに繋げた。 本番でよくわからないことをしてくる馬が出てきたことは不運だったが、燃え尽きることを防いだのを幸いに、5歳になっても、大事に使われたから、ドウデュースのように長く走れたのだから、いいことである。
ちなみに、重賞を勝っていなかったドウデュースだけは3番人気で例外。 相手にマイルチャンピオンシップを勝つセリフォス、NHKマイルC快勝のダノンスコーピオン、ファンの多いシャフリヤールの甥であるアルナシームを挟んで、5着は王道の皐月賞を制したジオグリフと、最近の本流に近いホープフルSではなく、この朝日杯が2歳チャンピオン決定戦になったことで、価値ある一戦ともなった。 未成熟なままクラシックを戦ったイクイノックスが敵わなかったのも、致し方なし。 重賞を勝っているなら、ほとんど来るという見立てで間違いない。 リアライズシリウスかアドマイヤクワッズであろうが、崩れる理由はいくつかあっても、マイル重賞で結果を出した馬を軽視する理由が見当たらないので、ここは大雑把な評価で分類するのはアリのはずである。

昨年の勝ち馬は、ローテの妙で勝てたという、変則開催の恩恵もあった

今年気になる一頭に、タガノアラリア<京都の秋明菊賞勝ち>がいるというくらいで、新馬で人気を裏切ったという、昨年優勝のアドマイヤズームのような、3度とも京都で走ったという、近年では誰も経験していない<阪神連続開催はあったが、そこでも同じく川田騎手のグレナディアガーズが勝っている・2020年>流れで生まれた王者は、なかなか認定するということでも難しい面がある。 これに敗れたミュージアルマイルは結局、有馬記念に出てくるようだが、ここで2着を経験したことで、皐月賞や天皇賞の特殊な展開に対応できた部分はあるだろう。
3回使われる馬も最近は少ないから、2連勝で挑んで、ここを無敗で通過するというのは、牡牝問わず、ダートの全日本2歳優駿なども、今はそういう傾向で、穴の3着は想定されるものの、そういう類の馬をカットしてきた手前、近年最大の穴快走である単勝約230倍のグランレイから手堅いところに流した分だけ引っかけた筆者としても、このパターンだけが穴で狙い目と理解しつつ、人気勢で枠は埋まるとみて、今回は手控えたい。

欲しいところまで手が届くとも限らないが、盛り返してきた必然の王道組は侮れない

グランアレグリア斬りのアドマイヤマーズに、一昨年のマイル無双・ジャンタルマンタルが無敗で連勝継続、共同通信杯で初黒星まで同じという展開はワンパッケージ。 ここで強い勝ち方をすれば、マイルよりも2000Mで総合力勝負の皐月賞にも展望していきたいと思うのは当然。 朝日杯覇者の皐月賞制覇、ナリタブライアン以降ではロゴタイプだけで、中山時代に限られる。 ダービーもドウデュースだけだから、この点、ホープフルS組の方が優勢な部分はある。 ただ、昨年の2着馬は、ホープフル無敗制覇の最優秀牡馬を抑えて、皐月賞を勝っている。
その可能性を、アドマイヤクワッズに求めるとしたら、京都開催とはいえ、なかなかハードな時計勝負に競り勝ったキャリアも、長所にも短所にもなりそうなところで、このデイリー杯勝ち馬は、近年ほぼ確実に馬券内になっているということでも、狙い目ではあるはずだ。 軸に推せる根拠を関東の遠征を経験の馬に求めた時、意外にも、勝ち切った2頭には共通せず、タフに2か月で3戦のローテをパーフェクトにコンプリートの形にすると、地元だけで強い関西馬から脱却できる。 2023年の暮れのエースは、アスコリピチェーノだけキャリア2戦が別の距離で、競馬場も異なったが、残りの2頭もこの秋にタイトルを足しているくらいで、皆元気。
ローテがタフだったり、苦しい負けゲームの経験などが、今に繋がっている。 それがチャンピオンになった理由とすると、リアライズシリウス<新潟2歳S覇者>も加えないといけないし、いかにも怪しい勝ち方だったエコロアルバだとか<1400→1600>、当然、もう3敗しているダイヤモンドノットも、学びが多いからこそ、高速戦必至のここでは怖い。 これにより、伏兵の出る幕がなくなった見たわけだが…。

飛ぶことも多いが、半分勝っているという事実を重視したい

アドマイヤクワッズ、リアライズシリウスなどの人気勢に、エコロアルバというジョーカーも面白い。 これに負かされたゾロアストロ<断然支持に推されるも自滅気味の3着>が、プレクラシックでかつ、ホープフルS最重要前哨戦となった東京スポーツ杯で好時計決着の2着に入っている。 コントレイルのほぼほぼ意味不明なレコードタイムには遠く及ばなかったが、上位勢は大方、あのザ・クラッシャーに育ったイクイノックス師匠に並ぶ上がりの数字を計時したのだから、驚くばかり。 マイルで連戦のエコロアルバの評価が下がる理由はない。
ただ、そのエコロアルバが勝ったサウジアラビアロイヤルCが中距離ベースの上がり勝負で、もたつきながら、瑠星騎手に叱咤されて押し上げてきたという内容が、どうも、早熟性の点で訝しげに捉えられる原因にもなりそうで、ここで人気面でのインパクトの点で、マイナスの材料がある。 妙味は買えるが、前にいけるリアライズシリウスの新潟の上がりは、エコロアルバの無理やり勝ったような内容とほとんど同質の上がり、走破タイム。 個別評価では、新潟チャンプが一枚上と見える。
これを負かすならば、スピードレースで勝ってきたダイヤモンドノットだとか、マイルの時計勝負で底力を示したアドマイヤクワッズをなってくるわけだ。 中山時代は、東西のG2勝ち馬が激突の構図が多く、坂のある東京で総合力のパワーを示した強い勝ち馬が、スピードと人気で先行の関西馬をよく負かしていたが、G1の舞台が移ってきたことで、役割も距離相応に変化してきて、サウジアラビアロイヤルCのトライアル的役割の強化により、デイリー杯勝ち馬の優位性が増してきたというトレンドにここは乗りたい。 この程度のプレッシャーなど、もはや、屁でもないはずの坂井瑠星が、軽くエスコートするくらいで、彼の力は十二分に発揮されることだろう。

朝日杯フューチュリティステークス2025- 出走予定馬の血統/成績/タイム

リアルスティール産駒=坂井瑠星のイメージを、今回で固定化させてしまいたい

アドマイヤクワッズの血統

何代か、この母系を辿ってみたのだが、北米出身の種牡馬の名は当然多く登場するものの、ファミリーそのもののが、西欧から飛び出したというケースは、このアドマイヤスワッズから遡って、祖母の代が、ひょっとすると初めてのに近いのかもしれないというほど、重厚な血が多く重ねられた配合。 一時期、ドイツにいた祖先もいるからなのか、数代前まで、アウトブリードかそれに近い構成の配合が続いたが、だいたい、フランスに出されると、急に、ノーザンダンサーの血が増えるというパターン化された構造を隠し持つ。 ファビュラスダンサーが4代母の父に配されてからは、強くクロスさせられている。
加えて、そのノーザンダンサーを産んだナタルマの直系に属するデインヒルとマキャヴェリアンが母父ゾファニーの代で父父と母父にそれぞれ位置するから、ナタルマクロスは限界突破の傾向。 それに上乗せされる、同族ヘイローの継続クロスを持つということから、ヘイロークロスのマキャヴェリアン持ちのアドマイヤマーズの産駒といつも勘違いする筆者は、むしろ、こちらの方がより濃い結合をもつと思い知らされるのであった。
この他、基本繁殖のポジションを成すウインドインハーヘアやミエスク、バラードだとか、クロスするスペシャル<サドラーズウェルズとヌレイエフを両方持つ、現在の良血のトレンド>と件のナタルマ、コスマー<ヘイローの母>に絡むアルマームードの日本向きに出る継続的クロスなどなど、リアルスティールに目が行きがちだが、どうにも、こうしたビッグマザーの組み合わせという部分もあったりして、忘れがちなのは、3代母の父であるアラジが、ダンスパートナー<カムニャックの3代母>と同族という点も見逃せないから、すでに、早熟性の一定以上の証明に成功しているアドマイヤクワッズに、このタイトルを上乗せした際の価値は、想像以上のモノになると思われる。 あのフォーエバーヤングも、古馬チャンプとなったゼンノロブロイの血族。 血統馬・リアルスティールは、名血を呼び込む種牡馬なのかもしれない。

朝日杯フューチュリティステークス2025 - レース展開と最終予想

コースレコードで決まったデイリー杯は、わずかの差で、気合い勝ちのような感じもあったアドマイヤクワッズが、同じように新馬を勝って、人気も分け合ったというカヴァレリッツォに追い負けることなく、頭の差だけ前に出た。 レコードタイムは、10月前半に開催の時代に、快速馬のホウライアキコ<小倉2歳Sと重賞連勝>が記録したものが、10年以上も残っていたという、いまでは古い方のレコードになるから、ここで更新されるとは思わなかったのだが、ラップを見て納得。
中盤に至る経過は、 34.5-46.5-58.6
この記録は、例えば、ドウデュースが無敗制覇したこのレースで当てはめると、 34.3-46.2-58.3
これで、デイリー杯の勝ちタイムの方が0.4秒速い1:33.1というのだから、直線の坂の影響はかなりあるともできる。 すなわち、ドウデュースの勝ちタイムに相当し、その時の2着馬が偶然にも、新潟2歳S<今年の勝ち馬はリアライズシリウス>、デイリー杯2歳S<このアドマイヤクワッズ>と連勝して、人気にもなっていたセリフォスであり<セリフォスのデイリー杯の勝ちタイムはかなり遅い>、これは翌年、同じ阪神で行われたマイルチャンピオンシップで大外一気を決めているから、いつも後ろからというアドマイヤクワッズが、あまりその手の馬では目立って魅せたことのない坂井瑠星騎手の流儀に対する不安感を、幾分かは目減りさせるような効果ありそうだ。
東京の新馬は外々を回って、多頭数で僅差の1番人気でありながら、接戦のゴールではあったものの、デイリー杯で同じように人気に推されたのは、11秒台中盤から加速、厳密には、800通過以降の半マイルが全部加速ラップの中で、最後の最後とは言え、前を呑み込むような走りで、人気に応えたという内容を、多くのファンは強いと認識したということになる。 結果、デイリー杯も後ろからだったが、やや、荒れ馬場になった<前週の日曜日は、あのダブルハートボンドがとんでもないレコードタイムでみやこSを勝った日でもあったから、最近はいつも荒れ馬場になる11月の京都で、当たり前の理由があったとできる>状態の、かなり芝がはげかけていたところをクリスチャンが乗り込んだカヴァレリッツォが突っ走っていったから、それについていったという理由もあるが、ラチ沿いに近いところまでいって、内から交わして、差し返されながらも粘り込んだことがレコードに繋がったと思えるから、その数字にも価値があるし、接戦の強さを2歳馬だからこそ証明できていることが、他の3頭の差をつけた重賞勝利などと一線を画しているという点で、アピールできるポイントは、信頼度という点に関しても、十分及第点以上が与えられるものとも思える。
リアルスティールは芝のマイル勝ち星こそないが、芝1800Mでは、ドバイターフを含め、計4勝。 同時にこれは全ての勝利の記録ともなった。 初年度のオールパルフェは、アドマイヤクワッズとは正反対の先行一手の馬だったが、デイリー杯を勝って、ここでも人気になった。 ただ、フォーエバーヤングのような中距離型がほとんどであるから、同じ矢作厩舎のビダーヤにしても、最後は結局、1800で重賞を勝つかもしれない。
しかし、父であるリアルスティールは欧州のマイル王者であるミエスクの直系だからなのか、その良さをそのまま伝えたようなところのあるアドマイヤクワッズは、欧州型の繁殖を配された上で、成功するならばマイル近辺という大まかなイメージの通り、最高の結果を出しつつある状況にもなって、最も、欲しいところに手が届く存在として、血を残す役割を果たしていくにもなっていこう。
リアルスティールらしさのすべて受け継いだわけではないだろうフォーエバーヤングは、どこで種牡馬生活を送るのか想像もつかない状況にあるが、社台スタリオンステーション<当馬はノーザンファーム産>が北米進出するなら<吉田家の何人かは、現地に牧場くらい持っているだろうから、無理はない話ではある>、日本にいないけども、クラシックでバンバン走るような馬も北米経由で出す可能性もなくはないが、一番評価価値の高くなるような形が望ましいのは事実。
これがゼンノロブロイに代表されるファミリーの出だから、完全な北米のスピード系。 反対にも等しい、この欧州型の10F以下に向きそうな血が、高速馬場に適応するようになっていると何度か証明する過程で、早熟性も同時に証明できたなら、種牡馬としての成功が約束されると同時に、もしも、フォーエバーヤングが日本にいなくても、問題はなくなるのかもしれない。
鬼が笑う話をしたくもなる2025年末。 カランダガンにやられた傑作ジャパンCショーの解釈に、正当な判断を見誤りたくないと感じる今、香港ヴァーズに流れた欧州勢の多くを、アーバンシック<ルメールに手戻り>が面倒見ることはできるか、現状う怪しい面も抱える一方、世界レベルの仕事を馬だけでなく、関係するすべての人々が求められる状況を俯瞰してしてみたならば、アドマイヤクワッズの適鞍を国内に求めることなんて、今はしなくてもいいのではないかと思うわけだ。 短距離だったら、オーストラリアの方が遥かに賞金面でも恵まれているし、ダートは断然に中東のビッグミーティング、格を重んじて、適性さえあれば、欧米遠征も敢行すればいい。 それを自厩舎の積極的な遠征により、様々な国での騎乗経験を活かせる坂井瑠星騎手が主戦であり続けるならば、この馬の未来もまた、とても明るいものになるのかもしれない。

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